JR西日本キハ187系気動車

キハ187系気動車について

キハ187系気動車は、西日本旅客鉄道（JR西日本）が運行する特急形の気動車で、山陰地区向けに開発されました。老朽化した181系気動車の置き換えを目的として導入され、その他にも高速バスへの対抗策としての役割を担っています。本形式は、1987年3月のJR西日本設立以来初の新製特急形気動車となりました。

概要

キハ187系は、基本設計にJR四国の2000系気動車の技術を踏襲し、側面が優れた曲線通過速度を持つ自然振り子式の機能により、走行性が向上しています。2001年には、山陰本線の安来駅と益田駅間で新潟鐵工所製の0番台が投入され、2003年には米子駅と鳥取駅間、因美線の鳥取駅と智頭駅間で日本車輌製造によって10・500番台が追加導入されました。これにより、従来の気動車に比べ大幅な高速運行が可能になりました。また、0番台は島根県の資金を、10番台と500番台は鳥取県の財政支援を受けて製造されました。

構造

山陰本線などの急勾配や急カーブが多い地域の特性に合わせ、キハ187系は高出力のエンジンと制御付き自然振り子装置を組み込んでいます。JR西日本は、これを新たな標準型の車両として位置づけ、省力化やシンプルなデザインを追求。車体には初めてステンレスを使用し、軽量化と低重心化を実現しつつ、機能的なカラーデザインを施しました。

カラーリングは、側面に窓周りの紺色と、山陰地方の自然をイメージさせる黄色の帯が施されています。特に、前面は高速運転に適したデザインが特徴的で、警戒性を高める工夫がされているのです。

主要機器

当系列は、JR四国の2000系と同様の振り子式技術を用いており、高出力を誇るエンジン（小松製作所製SA6D140H）を2基装備し、地形に適応しています。運転台の設計も223系電車に準拠しており、電気制御式の列車情報制御装置（TICS）が導入されています。このシステムにより、さまざまな機能を1つのスイッチで操作できるよう便利に改良されています。

車内

車内では、利用者が快適に過ごせるよう、暖色系の内装と木質系の手すりや窓枠を採用しています。また、座席も683系電車と同一のデザインが取り入れられ、部品の共通化によってコスト削減も実現されています。トイレはバリアフリー対応で、おむつ交換台も備えるなど、利用者の利便性に配慮しています。

系列別概説

キハ187系には、0番台、10番台、500番台の3つの班があります。0番台は特急「スーパーおき」「スーパーくにびき」で運行され、鳥取や岡山向きの10番台には喫煙スペースが設けられています。500番台は「スーパーいなば」として高速運行が行われ、旅客数の少ない地域を対象としています。

歴史

本形式は2001年7月に最初の運行を開始し、2003年にはさらにバージョンが増えることで、地域の輸送能力が飛躍的に向上しました。以降は運行に関する改正が行われ、全体的に利用者のニーズに応える形で進化を続けています。2023年からは新しい車内チャイム「アルプスの牧場」が使用開始され、乗客により快適な旅を提供しています。

キハ187系気動車は、地域の発展を支え、より良い交通手段としての役割を果たしています。今後もその重要さは増すことでしょう。

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