J/FPS-4

J/FPS-4 警戒管制レーダー

J/FPS-4は、航空自衛隊が運用する先進的な警戒管制レーダー装置です。このレーダーは、大型の固定型3次元レーダーであり、1999年から配備が始まりました。製造は東芝が手掛けており、国産技術を活かしたシステムです。

来歴

航空自衛隊は、1970年代から自動警戒管制組織の強化を目指し、国産の航空レーダーを導入してきました。1972年に導入されたJ/FPS-1|J_FPS-1や1980年からのJ/FPS-2|J_FPS-2は、そのスタート地点でしたが、全レーダーサイトでは普及が進まず、依然としてアメリカ製のAN/FPS-20やAN/FPS-6レーダーが使用され続けていました。

1981年には、次期警戒管制レーダーの開発が始まり、1992年にはJ/FPS-3|J_FPS-3が運用を開始しました。しかし、導入から10年以上が経過すると老朽化が進み、維持や整備が困難になることが明らかになりました。さらに国家の財政状況の悪化が追い打ちをかけ、代替レーダーの導入が急務となりました。

このニーズに応じて、J/FPS-4の開発が進められました。1997年2月には運用要求が策定され、1998年度には技術審査を経て、東芝がその開発を担うことに決定しました。

設計の特徴

J/FPS-4は、通信や電算処理において進化した民生技術を導入することで、信頼性や効率性を高めることを目指しました。コスト削減の観点から、従来の2つの空中線を1つに融合し、効果的な反射板の構成を採用しています。

このレーダーは、最新のデジタル技術を利用し、多方向からの電波を同時に受信できる能力を有しています。また、操作性にも配慮されており、大型カラー・ディスプレイを用いたコンソールで、以前の機種と似た使い慣れた操作感が維持されています。

さらに、擬似電波発生装置（デコイ）を装備しているため、対レーダーミサイルに対する防御能力も備えています。システムは、山側と里側に分かれた配置をとり、運用地区で各部品の故障状況をモニタリングし、遠隔操作による故障発生時の対応が可能です。

運用開始と配備

初号機の配備は1999年度の高尾山分屯基地からスタートし、2002年には実用試験が実施されました。その結果、機能や性能が高く評価され、2003年に正式に部隊での使用が承認されました。

その後、J/FPS-4は全国のレーダーサイトに徐々に配備され、次のような基地で運用が開始されました：

• - 網走分屯基地（第28警戒隊）2014年運用開始
• - 奥尻島分屯基地（第29警戒隊）
• - 峯岡山分屯基地（第44警戒隊）
• - 高尾山分屯基地（第7警戒隊）2003年運用開始
• - 福江島分屯基地（第15警戒隊）
• - 久米島分屯基地（第54警戒隊）2008年運用開始

結論

J/FPS-4は、航空自衛隊が求める近代的な警戒管制機能を実現するために開発された重要なレーダーです。国産技術の活用やシステムの効率性、コストパフォーマンスに優れた設計が採用され、現代の航空防衛に欠かせない存在となっています。

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