KEIRINグランプリ'85

KEIRINグランプリ'85とは

1985年12月30日、立川競輪場を舞台に、記念すべき初代KEIRINグランプリが開催されました。このレースは、当時の競輪界において、年末のビッグイベントとして位置づけられ、優勝賞金は1000万円と高額でした。出場選手は、その年の競輪界を代表する9名で、熾烈な戦いが繰り広げられました。

レース展開

レースは、誘導員の恩田繁雄氏を先頭にスタート。各選手の並びは、清嶋－尾崎－山口、佐々木－井上－中野、滝澤－伊藤－高橋となりました。ジャン前で中野選手が先頭集団を叩きに出るも、尾崎選手の牽制で一瞬バランスを崩します。しかし、佐々木選手がうまく車間を開けて中野選手を迎え入れ、九州勢の並びは中野－佐々木－井上に変化しました。レースの主導権は東京勢が握ったまま、最終1センター付近から滝澤選手が捲りを仕掛けますが、井上選手のブロックで進みが鈍ります。滝澤選手の捲りが不発と見た中野選手が、バックから一気にスパート。4コーナーで完全に捲りきり、そのまま押し切って初代KEIRINグランプリ王者に輝きました。2着には中野選手と佐々木選手の間を突いてきた井上選手、3着には佐々木選手が入りました。

レース結果

優勝：中野浩一
2着：井上薫
3着：佐々木昭彦

大会を彩ったエピソード

準備期間の短さ
この大会の開催決定は、1985年の10月頃と、非常に短期間での準備となりました。そのため、場外発売を行った競輪場はわずか10場と少なく、近畿地区では全く行われませんでした。また、当時は電話投票も普及しておらず、テレビ中継も一部地域に限られていました。
ファンサービスの先駆け
今では一般的となった、選手によるファンのお出迎えサービスは、このKEIRINグランプリ'85が最初でした。出場選手9名が立川競輪場の入場門に勢ぞろいし、ファンを迎えました。
予想を上回る盛り上がり
開催日が12月30日ということもあり、当日の入場者数は約4万人、売上は12億円を超える大盛況となりました。これにより、競輪黄金時代が復活したと、競輪評論家や関係者を大いに喜ばせました。
他競技への影響
この大会の成功は、他の公営競技にも大きな影響を与え、競艇やオートレースでも、その年のグランドチャンピオンを決める大会が誕生するきっかけとなりました。
特別なユニフォーム
出場選手は、現在のS級S班のような赤いレーサーパンツを着用してレースに臨みました。
感動の胴上げ
レース後、他の出場選手8名が中野選手の胴上げを行いました。通常、胴上げは同県・同地区の仲間によって行われますが、この時は、中野選手のライバルであった山口選手や滝澤選手らも参加し、感動的な光景となりました。
中野浩一選手の特別な出場
優勝した中野選手は、この年特別競輪の制覇がなく、世界選手権スプリント9連覇を達成したことによる特別枠での出場でした。中野選手本人は、「怪我も続くなど最悪の年だった」と振り返っています。また、大会直前に肉離れを起こし、欠場が噂されていましたが、見事優勝を飾りました。

関連情報

KEIRINグランプリ
立川競輪Webサイト
KドリームスWebサイト
KEIRINグランプリ・アーカイブ 1985【シクロチャンネル】 - YouTube
「KEIRIN GP_1985 伝説のはじまり、初代王者は世界の中野浩一」【日テレ 人力最速ch〜KEIRINグランプリへの道】 - YouTube

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