KTMエレクトリック・トレイン・サービス

KTMエレクトリック・トレイン・サービス（ETS）について

KTMエレクトリック・トレイン・サービス（KTM ETS）は、マレーシアの主要な都市間を結ぶ高速鉄道サービスです。マレー鉄道の電化区間を最高速度140km/hで走行し、快適な移動を提供しています。ETSは、タイ国境に位置するパダン・ブサール駅から、首都クアラルンプールを経由してグマス駅までを結ぶ広範囲な路線を運行しています。

ETSの概要

ETSは、マレー鉄道の電化複線区間を走る都市間高速電車として位置づけられています。マレーシアにおける鉄道電化の歴史は1995年にクアラルンプール近郊区間から始まり、その区間ではKTMコミューターが運行されています。その後、ウエスト・コースト線の電化複線化工事が進められ、2010年にはイポー～ラワン間の電化が完成しました。これにより、イポーからスレンバンまでが電化複線で接続され、高速鉄道の運行が可能になりました。

2010年8月には、イポー～KLセントラル～スレンバン間で初のETS運行が開始されました。しかし、2012年10月にはKLセントラル～スレンバン間の運行が一時的に中止され、イポー～KLセントラル間での運行に限定されました。

運行状況

2010年11月1日現在、ETSには急行（Express Train）と普通（Transit Train）の2種類の種別がありました。イポー～スレンバン間は約280kmの距離を、急行で約3時間で結んでいました。また、イポー～クアラルンプール・セントラル間は約208kmの距離を、急行で約2時間5分、普通で約2時間17分で結んでいました。

2015年7月現在、速達性の違いによってETS GOLDとETS SILVERの2つのサービスレベルが存在し、運賃も異なっています。運行本数は、パダン・ブサール～クアラルンプール・セントラル間が1日1往復、イポー～クアラルンプール・セントラル間が1日13往復、パダン・ブサール～バターワース間が1日1往復となっています。ただし、曜日によっては運休する便もあります。イポー～クアラルンプール・セントラル間では、最速で2時間10分の列車と、停車駅が多いパターンでは2時間35分かかる列車があります。

車両

ETSで使用されている車両は、以下の2種類です。

クラス91（現代ロテム製）： 6両編成が5本
クラス93（株洲電力機車製）： 6両編成が10本（増備中）

これらの車両は全席空調完備で、各座席列にサービスコンセントが設置されています。また、クラス93にはビジネスクラス車両が1両連結されています。

運賃

ETSの運賃は、同区間を運行するKTMインターシティの1等座席車（AFC）と2等座席車（ASC）の中間程度に設定されています。これにより、より多くの利用者が快適な移動手段を利用できるようになっています。

運営

ETSの運行サービスは、マレーシア鉄道公社が100%出資するETSサービス会社（ETS Service Sdn Bhd）によって運営されています。

歴史

ETSの運行は、2010年8月12日に急行2往復、普通3往復で開始されました。その他に急行3往復が設定されています。

関連情報

マレーシアの鉄道
KTMインターシティ
* KTMコミューター



ETSは、マレーシアにおける都市間移動の重要な役割を担っており、今後もさらなる発展が期待されています。

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