Kamipro

kamipro（カミプロ）について

概要と歴史

kamiproは、日本のプロレスと格闘技を専門に扱っている雑誌です。1991年に「紙のプロレス」として創刊されたこの雑誌は、編集者の山口日昇が自己の出版社「世謝出版」から刊行しました。当初は地方の小出版流通センターを介して流通する零細出版社でしたが、創刊号は5000部が完売するなど、当時の期待を超えた成功を収めました。多くのプロレス雑誌が試合や選手のインタビューに焦点を当てる中で、kamiproは「世の中とプロレスする雑誌」をコンセプトに掲げ、人間の生き方をテーマとしました。そのため、一般的なプロレス雑誌にありがちな写真や試合リポートを排除し、様々な執筆者による自由な視点での記事が掲載されました。

時代を超えた変遷

その後、初期の「紙のプロレス」は新間寿恒とのトラブルで早々に廃刊を迎えましたが、山口自身が直接この問題に対処することはありませんでした。廃刊後、彼は新たに「紙のプロレスインターナショナル」を創刊し、運営体制を整えて再出発します。ここでは、柳沢忠之との共同経営が始まり、株式会社ダブルクロスが設立されました。ダブルクロスの下で、kamiproは全国的に広まり、ワニマガジン社との提携により取次が強化されました。

コンテンツの進化と格闘技への転向

1990年代に入ると、山口は新たに『紙のプロレスRADICAL』を創刊し、プロレスから格闘技の世界に焦点を当てるようになります。特にPRIDEやリングスといった新興団体への取材を開始し、格闘技の人気と共に読者の支持を増やしていきました。その中で、彼らの進出を報じる一方で、注目する団体が業界から消えていくという悲劇的なジンクスも生まれました。

2002年には携帯電話サイト「紙プロhand」を開設し、ニュース速報の発信を開始しました。これにより、PRIDE関連の情報は事実上の公式発表と同等に扱われることになりました。さらに、DSE（ドリームステージエンターテインメント）の興業が進行する中で、kamiproは「DSEの機関誌」としてものけんきゃされ始め、関係するプロレスや格闘技の記事が増加しました。

改名と新たな展開

2005年には雑誌名を『kamipro』に変更し、エンターブレインがその発行元になります。2006年には新体制で編集が行われ、特に新日本プロレスからの取材拒否が解けました。これに伴い、従来鮮やかなコンテンツが展開されるようになり、メディアとしての地位を確立しました。

休刊とその後

ところが、2010年には運営体制に大きな変化が起きます。編集部員全員が突然退社し、山口一人での運営形態となりました。その後、2011年にはエンターブレインとの関係が終了し、kamiproは休刊に至ります。しかし、kamiproの元スタッフによって「Dropkick」や「KAMINOGE」といった新たな雑誌が次々と創刊され、kamiproの精神は受け継がれていきました。さらに、同年には山口自身が「かみぷろ」というウェブマガジンを立ち上げ、ごく近い2020年代には新たな取材や企画を行う場として再出発を図っています。

最新の刊行物

kamiproには多くの連載や特集があり、特に格闘技やプロレスに関する独自の視点からの記事が掲載されています。各号にはテーマが設定され、さまざまな分析やインタビューが盛り込まれています。これらは業界の最前線での動きを捉え、読者に新しい視点や知識を提供し続けています。kamiproは、プロレスと格闘技の未来を探求し続ける重要なメディアとしての役割を果たしています。

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