新間寿

新間寿：プロレス界の風雲児、その波乱万丈の生涯

新間寿氏（1935年生まれ）は、日本のプロレス界に計り知れない影響を与えた実業家である。新[[日本プロレス]]専務取締役兼営業本部長、WWF会長などを歴任し、現在は新間事務所代表取締役社長、リアルジャパンプロレス会長を務める。東京プロレス設立にも携わった新間信雄氏を父に持ち、プロレス界との関わりは深く、息子である新間寿恒氏もプロレス業界で活躍している。さらに、タレントで元参議院議員の新間正次氏は従兄弟、声優の高山みなみ氏は姪にあたるなど、華やかな血縁関係も持つ。

中央大学からプロレスの道へ

中央大学在学中は柔道部に所属しながら、力道山に憧れ、日本プロレス道場でボディビル練習生として鍛錬を積んだ。力道山から徹底的なベンチプレス指導を受け、筋力を向上させた経験は、後のプロレス界での活躍の礎となった。この頃、生涯にわたる付き合いの豊登氏と出会う。

大学卒業後はマックスファクターに就職するも、豊登氏の誘いを受け、1966年、実父と共に東京プロレスの設立に参加。この時、アントニオ猪木氏との重要な関係が生まれる。東京プロレス倒産後は、父から勘当され、小来川鉱山で鉱山労働に従事するなど、過酷な経験を積む。その後、様々な職を転々とし、セールスマンやパン店経営などを経験しながら、豊登氏の面倒を見るなど、多様な人生経験を積んだ。

新[[日本プロレス]]での活躍と「猪木対アリ」戦

1972年、新[[日本プロレス]]に入社。猪木氏の右腕として、営業本部長として数々の名勝負を実現させた。最大の功績は「アントニオ猪木対モハメド・アリ」戦の開催。莫大な赤字を抱えたこの試合は、新間の辣腕と大胆な戦略によって実現した。さらに、佐山聡氏のプロレスラー転向（タイガーマスク）、IWGP構想の提唱など、新[[日本プロレス]]の隆盛に大きく貢献した。福田赳夫氏から「猪木君の最高の戦いの場を模索し、多くのファンを楽しませ、数々のドラマを作り上げた」と評されるなど、その手腕は高く評価されている。

新日本クーデター未遂事件とその後

1983年、「新日本クーデター未遂事件」の責任を負い、営業本部長を解任された。この事件は、週刊誌によって佐山聡氏が関与していると報道されたが、佐山氏自身は関与を否定している。解任後は、ジャパンライフの幹事長に就任。その後、UWF設立にも関与するものの、短期間で崩壊。その後も、新[[日本プロレス]]の裏方として活躍を続け、猪木氏のNWA加盟拒否時には、新日本代表としてNWAの名義人となった。ジャパン女子プロレスの経営にも関与し、格闘技連合の構想も練った。息子の寿恒氏が設立したユニバーサル・プロレスリングでは、浅井嘉浩（現ウルティモ・ドラゴン）のSWS移籍騒動にも介入するなど、プロレス界への影響力を維持した。

スポーツ平和党と猪木氏との複雑な関係

1989年には、猪木氏が立ち上げたスポーツ平和党の幹事長に就任。1992年の参議院議員選挙に立候補するも落選。スポーツ平和党の運営や、猪木氏の税金未納疑惑をめぐり、猪木氏と対立、一時は猪木氏を告発する本を執筆するまでに至った。しかし、2002年には和解し、猪木事務所のアドバイザーとして復帰。ジャングルファイトのプロデュースや、新[[日本プロレス]]東京ドーム大会への出演など、関係修復を果たした。

プロレス界への貢献とWWE殿堂入り

新間氏は、WWE創業者一族のマクマホン家と家族ぐるみの付き合いがあり、特にビンス・マクマホン・シニア氏との交流は深い。2019年には、WWE殿堂のレガシー部門に選出された。メキシコUWAの代表からも絶大な信頼を得ており、IWGP構想にも協力した。また、大仁田厚氏や大塚直樹氏など、様々なプロレス関係者との複雑な関係性も持っている。

数々の逸話と「新間寿監禁事件」

マックスファクター時代には自社商品をレスラーに提供するなど、様々なエピソードを残している。1983年の「アントニオ猪木監禁事件」については、「新間寿監禁事件」であったと主張し、その詳細を語っている。猪木氏との複雑な関係性、そしてプロレス界、政界に渡る数々の活動は、日本のエンターテインメント史に大きな足跡を残している。

著書

新間氏は、自身の経験や見解を記した数々の著書を出版している。それらは、プロレス界の内幕や、自身の波乱万丈の人生を知る上で貴重な資料となっている。

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