Kord重機関銃

Kord重機関銃について

Kord重機関銃（コルドじゅうきかんじゅう）は、1998年にロシアが正式に採用した口径12.7mmの重機関銃です。この銃は、ソビエト連邦時代に広く使われていたNSV重機関銃の後継モデルとして開発されました。NSVは、特に車載用としてカザフスタンで生産されていましたが、1991年のソビエト連邦崩壊後、そのサプライチェーンが途絶え、稼働率が低下しました。これを受けてデグチャリョフ設計局は新型重機関銃の開発に着手し、Kordを生み出しました。

Kordのデザインは、前モデルのNSVに類似しているものの、内部構造において多くの改良が加えられています。特にボルトのロッキング機構が垂直ティルト式からロテイティング式に変更された点や、ガス圧作動機構が更新された点が挙げられます。また、反動軽減用のマズルブレーキが取り付けられており、これにより銃の反動は大幅に減少しています。銃身は、過熱に対して耐久力が向上しており、結果として高い命中精度と遠距離狙撃能力を有しています。

さらに、Kord重機関銃はその機動性と携行性も優れています。12.7mmの重機関銃では珍しく、三脚を必須とはせず、射手が二脚を使って射撃することが可能です。この点から、Kordはしばしば単独の兵士によっても使用されることができます。約32kgの重量を持つ本銃は、必要な装備を整えた上でも一名で持ち運ぶことは可能であり、腰だめ姿勢での射撃がデモンストレーション映像でも確認されています。

Kordの派生型

Kord重機関銃は、いくつかの派生型が存在します。それぞれの型式には異なる用途があるため、機能が異なります。以下はいくつかの代表的な派生型です。

• - 6P49: 車載型で、6U37電気式トリガーを使用します。
• - 6P50: 歩兵運用型です。
• - 6P51: 同軸機銃・砲塔搭載型で、左から給弾し前方に薬莢を排出します。
• - 6P57（6P50-1）: 歩兵運用型で、6T19バイポッドを使用します。
• - 6P60: 6P57を三脚に据えたモデルです。

これらの多様な型があることで、戦術に合わせた使用が可能となります。

ゲームやメディアでの登場

Kord重機関銃は、多数のゲーム作品にも登場しています。例えば、バトルフィールドシリーズでは、T-90戦車やMi-17ヘリコプターに搭載されたり、キャンペーンやマルチプレイモードで使用できることがあります。安定した性能と強力な火力により、ゲーム内でも非常に人気のある兵器となっています。

このように、Kord重機関銃はその高い技術と多様な運用可能性から、ロシア軍において重要な役割を果たしているだけでなく、次世代の重機関銃としての地位を確立しています。その進化し続ける設計は、将来的にも様々な場面での活用が期待されています。

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