LA VIE EN ROSE (吉川晃司のアルバム)

『LA VIE EN ROSE』の概要

『LA VIE EN ROSE』（ラ・ヴィアンローズ）は、日本のシンガーソングライター吉川晃司のオリジナル・アルバムであり、1984年10月5日にSMSレコードから発表されました。このアルバムは、吉川のデビュー後2枚目の作品であり、前作『パラシュートが落ちた夏』から約7か月後のリリースとなりました。プロデューサーには、渡辺プロダクション所属の木崎賢治とSMSレコードの小野山二郎が起用され、アーティストとしての吉川の成長と個性が色濃く反映された内容に仕上がっています。

アルバムの制作背景

吉川は1984年2月にシングル「モニカ」でデビューし、その後の活動で彼の音楽的スタイルや存在感を確立していきました。この時期、彼は音楽ランキングで注目を集め、特にフジテレビの音楽番組に出演することで大きな人気を得ました。デビュー後の成功を受けて、彼は徐々にプロデューサーとの関係を見直し、自身の音楽的意向を強くアピールするようになりました。

本アルバムの制作中、吉川は木崎プロデューサーと頻繁に意見を交わしながら、「アイドルでいなさい」という指示から脱却し、自身のスタイルを確立していく過程にありました。自作曲は収録されていないものの、彼は自身の音楽的な嗜好を提示した作品として位置づけています。楽曲の選定は吉川自身が行い、他の作詞家や作曲家とともに彼のビジョンを形にしました。

音楽性とスタイル

『LA VIE EN ROSE』は、デジタルサウンドに対する吉川の好みが反映されたトーンで、特にキーボードが主役の楽曲構成が特徴です。今作は、1980年代中盤の音楽シーンにおけるニューロマンティックの影響を受けており、様々なアーティストのスタイルが交錯しています。吉川自身はこの時期の音楽シーンに対して強い興味を抱き、特にユーリズミックスのスタイルが気に入っていたと語っています。

ただし、アルバム制作中、サウンド面では少し物足りなさを感じていた吉川は、実際にギタリストたちの演奏がよりソフトであることを指摘し、ギターの多用を望んでいました。その後、吉川は自らの音楽的探求を進めるなかで、さまざまなジャンルやアーティストの影響を受けつつ、自分の足りない部分を見つめ直す経験を得ました。

チャート成績と人気

たくさんの曲が収められたこのアルバムは、オリコンアルバムチャートで初登場第1位を記録し、吉川にとって初の1位獲得となりました。収録曲には、「サヨナラは八月のララバイ」や「ラ・ヴィアンローズ」などのシングルも含まれ、特に「ラ・ヴィアンローズ」は高い人気を誇りました。アルバムは総じて約26万枚の売り上げを達成し、その後も多くのリリースが記録されています。

香坂アルバムツアー

アルバムのリリースに伴い、吉川は「FLYING PARACHUTE TOURⅡ」と呼ばれるコンサートツアーを展開しました。このツアーでは全国の主要都市でのパフォーマンスが行われ、吉川はその中でオーディエンスに強いメッセージを伝えようとしました。彼の活動は、時に音楽番組やイベントの中継において過剰な演出が求められることもありましたが、彼はその際、客層に対する真摯な思いを持ち続け、作品に誇りを持って取り組みました。

結論

『LA VIE EN ROSE』は、吉川晃司の音楽キャリアにおける重要な作品であり、彼が自身のスタイルを確立する過程や当時の音楽シーンにおける影響を反映した内容となっています。アルバムは現在もファンに愛され、さまざまなメディアで再評価されています。これにより彼の影響力と継続的な人気は一層の強化を見せているのです。

もう一度検索