LST-12 (戦車揚陸艦)

LST-12（HM LST-12）の艦歴と業績

LST-12は、第二次世界大戦確においてアメリカ海軍とイギリス海軍によって運用されたLST-1級の戦車揚陸艦です。この艦船は、1942年8月16日にアメリカ・ペンシルバニア州ピッツバーグのドラヴォ・コーポレーションで造船が開始され、12月7日に進水しましたが、アメリカ海軍に供給されることはありませんでした。1943年3月26日、HM LST-12としてイギリス海軍に入隊しました。

1943年5月14日、LST-12はニューヨークを出発し、護送船団UGS8Aと共に地中海へと航行しました。艦は欧州戦線での複数の作戦、特にハスキー作戦やアヴァランチ作戦に参加し、1944年8月から9月にかけて実施された南部フランス侵攻にも加わりました。LST-12は、イギリス海軍においてこの侵攻に参加した唯一のLST-1級戦車揚陸艦であり、その重要性が伺えます。

LST-12は1943年11月13日に機雷に接触し、一時的に損傷を受けましたが、1944年9月から1945年1月までの間には、イタリアとユーゴスラビア、そしてギリシャの間で様々な作戦を展開しました。これらの活動を通じて、艦は数々の軍事作戦に重要な役割を果たしました。

1945年8月から10月にかけては、アントワープで修理が行われ、艦の機能回復が図られました。その後、1946年1月5日に運用が停止され、6月5日にアメリカ海軍へ返還されました。最終的に、LST-12は1947年3月20日にアメリカ海軍から除籍され、9月11日にスクラップのために売却されました。

このように、LST-12は第二次世界大戦中のイギリス海軍での活動を通じて、多くの歴史的な瞬間に貢献しました。その艦歴は、戦時中の艦船の役割を考える上で貴重な資料と言えるでしょう。戦車揚陸艦としての機能を持つこの艦船は、戦争の中における兵力の展開や物資の輸送において重要な使命を果たしました。LST-12のような艦船の存在が、戦局を左右するターニングポイントとなったことを示しています。

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