LST-325 (戦車揚陸艦)

LST-325について

概要

LST-325（USS LST-325）は、アメリカ海軍の戦車揚陸艦の一つで、LST-1級戦車揚陸艦に属しています。現在はインディアナ州エバンズビルにて係留・展示されており、特別な名前を持たず、記号で識別されています。歴史的な価値が認められ、2009年6月24日にアメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されました。

艦歴

アメリカ海軍（1942年-1961年）

LST-325は1942年10月27日にペンシルベニア州フィラデルフィアで進水。彼女は第二次世界大戦中に北アフリカのシチリアとイタリアのサレルノへの侵攻に参加し、特に1944年6月6日のノルマンディー上陸作戦では、重要な任務を果たしました。最初の航海では59両の車両と31名の士官、408名の下士官兵を搭載しました。帰途では38名の死傷者を下艦させ、以降9か月間にわたり、LST-325はヨーロッパの解放を目指して40回以上もイギリス海峡を行き来しました。

1945年3月、彼女は再びアメリカに戻り、1946年7月2日にフロリダ州で退役し、ドックに入れられました。その後、1951年に海上輸送司令部の名称で再就役し、北大西洋の開発援助活動に従事しました。1961年9月、彼女は登録名簿から外され、国防予備船隊に移されました。

ギリシャ海軍（1964年-1999年）

1964年9月1日、LST-325は無償援助としてギリシャに渡り、ギリシャ海軍の0615シロス（RHS Syros L-144）として1999年まで使用されました。

アメリカ海軍戦車揚陸艦記念博物館

2000年、退役軍人たちによる団体「The USS LST Memorial, Inc.」はこの艦船を取得しました。ギリシャから買い取り、修復後にアメリカへ向かい、2001年にはアラバマ州モービルに到着。この艦は数少ない航行可能な戦車揚陸艦の一つとして知られており、船員によってメンテナンスが行なわれています。

2003年にはミシシッピ川とオハイオ川を航行し、10日間で35,000人以上の来場者を迎えました。そして、2005年10月1日からインディアナ州エバンズビルに常時停泊しています。

エバンズビルの造船所の歴史

第二次世界大戦中、エバンズビルの川岸に戦車揚陸艦のための造船所が設立され、規模は急成長しました。ここでは最盛期で19,000人以上が雇用され、週に大きな船を2隻製造する能力を持っていました。ここで建造されたのは、普通船舶24隻、戦車揚陸艦167隻、その他の船舶35隻です。

現在、LST-325はこの造船所に常駐し、戦車揚陸艦と軍事に関する博物館として訪れる人々に歴史を伝えています。

まとめ

LST-325はその歴史的価値と重要性から、単なる艦船以上の存在となっています。戦争の思い出とともに、訪れる人々に教育や歴史を学べる機会を提供しています。

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