LUNATIC LION

アルバム『LUNATIC LION』概要

『LUNATIC LION』（ルナティック・ライオン）は、日本のシンガーソングライター吉川晃司による7枚目のオリジナルアルバムです。このアルバムは1991年5月17日に、東芝EMIのイーストワールドからリリースされました。アルバムは、前作『GLAMOROUS JUMP』から約4年半ぶりの作品であり、布袋寅泰との音楽ユニットCOMPLEXの活動休止後に発表されたソロ復帰作でもあります。

製作の背景

吉川は、1988年に日本武道館での単独公演を経て、渡辺プロダクションから独立しました。このタイミングでCOMPLEXを結成し、活動を展開したものの、内部の音楽的価値観の相違から確執が生じ、1990年に活動が停止しました。その後、1991年にはリリース予定のシングル「Virgin Moon」で再びソロ活動を開始しました。この曲は三貴「ブティックJOY」のコマーシャルソングにも起用されています。

音楽性と制作

『LUNATIC LION』は、吉川自身の初のセルフ・プロデュース作です。ベーシストの後藤次利が全面協力を行い、音楽的にはデジタルからプリミティブなスタイルへの移行を象徴する作品となっています。作品全体を通して、「月」をテーマにしたゴシックホラーの雰囲気が漂っており、斬新さと挑戦が感じられます。吉川はこのアルバムを「怒涛の中で作った」と表現し、プレッシャーを感じながらも自分を解放する過程があったと語っています。

さらに、制作過程ではスタジオ内での厳しい雰囲気や意見の衝突もあったようですが、最終的には吉川の音の志向に基づいたトラックを仕上げることができました。本作のサウンドは、過去の作品とは一味違った、洗練された印象を与えています。

リリースと評価

アルバムは初回生産盤として特殊ホログラフィジャケット仕様が用意され、オリコンアルバムチャートでは最高位第2位を記録。販売枚数は20万枚以上となり、日本レコード協会からはゴールド認定も受けました。音楽情報サイト『CDジャーナル』は、吉川のボーカルとテクニカルな制作に高評価を与えましたが、歌詞に対しては一部批判も見られました。

ツアーと影響

リリース後、吉川は「Lunatic LUNACY TOUR 1991」と名付けたツアーを行い、全国で25公演を成功させました。このツアーではアルバムの曲を中心に演奏されましたが、録音時と異なるバンドメンバーとの協力の難しさを改めて痛感したと語っています。

最終的に、『LUNATIC LION』は吉川晃司の音楽キャリアにおける転機となった作品であり、その後の音楽活動にも大きな影響を与えています。吉川自身はこのアルバムについて、「個人的に好きな作品」であるとしつつ、将来的な自己評価において反省もあることを告白しています。これにより、彼の音楽の多様性と進化する姿がさらに期待されることとなりました。

このように、『LUNATIC LION』は新たな音楽的挑戦と自己表現の試みが詰まったアルバムであり、吉川晃司の魅力が存分に引き出されています。

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