La Esperanza-いつか叶う-

ミュージカル・ロマン『La Esperanza -いつか叶う-』：熱情と青春のタンゴ物語

2004年、宝塚歌劇団花組によって華やかに上演されたミュージカル『La Esperanza -いつか叶う-』（ラ・エスペランサ いつかかなう）は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスを舞台に、若者たちの恋と友情、そして青春の日々を描いた、13場からなる作品です。宝塚大劇場では2004年8月13日から9月27日、東京宝塚劇場では同年10月16日から11月21日に上演され、レビュー・ファンタジア『TAKARAZUKA舞夢!』と同時上演されました。

物語の中心となるのは、情熱的なタンゴダンサーと、画家を夢見る孤独な女性の二人。彼らの恋物語を軸に、周囲を取り巻く仲間たちの友情や青春の日々が、アルゼンチンタンゴのリズムにのせて軽やかに、そして鮮やかに綴られていきます。

この作品は、宝塚歌劇団90周年を記念して企画された「男役2番手特別出演プロジェクト」の一環として制作されました。そのため、当時人気を博していた霧矢大夢さんと水夏希さんが出演したことも大きな話題となり、多くの観客を劇場に呼び込みました。

演出を手掛けたのは正塚晴彦氏。作曲・編曲には高橋城氏、玉麻尚一氏、青木朝子氏、振付には伊賀裕子氏と平沢智氏が参加し、豪華なスタッフ陣によって作品の世界観は見事に表現されています。

装置は大橋泰弘氏、衣装は任田幾英氏と、舞台美術においても高いクオリティを誇る面々が集結。華麗な衣装と重厚なセットが、ブエノスアイレスの街並みを鮮やかに再現し、観客を物語の世界へと誘います。

主要な配役は、主人公カルロス役に春野寿美礼さん、ヒロインのミルバ役にふづき美世さん、ベニート役に水夏希さん、ファビエル役に霧矢大夢さんなど、当時を代表するスターたちが勢ぞろいしました。新人公演では、未涼亜希さん、遠野あすかさん、望月理世さん、桐生園加さんらが主要キャストを演じ、ベテランと若手の共演により、作品に深みと華やかさを与えています。

ストーリー、音楽、そして出演者、全てにおいて高い完成度を誇る『La Esperanza -いつか叶う-』は、宝塚歌劇の歴史に残る名作の一つと言えるでしょう。アルゼンチンの情熱的なタンゴと、若者たちの瑞々しい青春が織りなす、忘れがたい感動の舞台を、多くの観客が体験しました。

参考文献として、小林公一氏が監修・著作権者である『宝塚歌劇100年史 虹の橋 渡りつづけて（舞台編）』が挙げられます。この書籍には、宝塚歌劇の歴史と、数々の舞台作品に関する詳細な情報が収録されています。

宝塚歌劇公式ウェブサイトでは、宝塚大劇場公演と東京宝塚劇場公演に関する情報が掲載されています。興味のある方は、ぜひそちらもご覧になってみてください。

もう一度検索