LibreCAD
LibreCADは、フリーでオープンソースの2D CAD（Computer-Aided Design）アプリケーションです。UNIX/Linux、macOS、Windowsなど、様々なオペレーティングシステムに対応しており、幅広いユーザーが利用できます。AutoCADと類似したインターフェースと操作体系を持つため、商用CADの経験者にとっては比較的容易に使い始めることができます。
LibreCADの歴史は、2010年頃にQCAD Community Edition 2.0.5から派生したプロジェクトとして始まりました。当初はQt3ライブラリをベースとしたGUIを採用していましたが、その後、Qt4、Qt5、Qt6ライブラリへの移行が進められ、より安定したクロスプラットフォームでの動作が可能になりました。
プロジェクト初期には「CADuntu」という名称が使用されていましたが、UbuntuおよびCanonicalとの関連性を避けるため、ユーザーとの協議の結果「LibreCAD」に名称が変更されました。
LibreCAD 1の主な特徴は、GUIがQt4に移植されたことです。これにより、複数のプラットフォームで一貫したユーザーエクスペリエンスを提供できるようになりました。
LibreCAD 2では、Qt5およびQt6ライブラリのサポートが実装され、よりモダンな環境での利用が可能になりました。現在（2024年）は、主に以下の3つのブランチで開発が進められています。
2.2.0.x：バグ修正を含むLTS（Long-Term Support）リリースです。
2.2.1_rc：新機能とコードのクリーンアップを含む、次期リリースのリリース候補版です。
2.2.2_alpha：実験的な新機能を多数搭載したアルファ版で、通常利用には推奨されません。
LibreCAD 3は、LibreCADをゼロから完全に書き直す実験的なバージョンです。LibreDWGとの互換性を持ち、GPLv3ライセンスに対応するように設計されており、LuaスクリプトやリボンUIなどの新機能が搭載される予定です。開発はBRL-CADチームとの協力の下、2018年から2023年のGSoC（Google Summer of Code）セッション中に行われましたが、現在は開発が停滞しており、LibreCADチームはLibreCAD 2とlibdxfrwライブラリの開発に注力しています。
LibreCADは、60以上の言語に対応しており、世界中のユーザーが利用できます。内部的にはAutoCAD DXFファイル形式を標準として使用しており、様々なファイル形式のインポートとエクスポートが可能です。
LibreCADは、バージョン2.2.0以降、以下のファイル形式の読み書きをサポートしています。
CAD: DXF, DWG, Jw_cad, Shapefile（非推奨）
CADフォント: LFF, CXF
ベクター画像: SVG, SVGZ
ビットマップ画像: BMP, CUR, GIF, ICNS, ICO, JPEG, JPG, PBM, PGM, PNG, PPM, TGA, TIF, TIFF, WBMP, WebP, XBM, XPM
CAD: DXF (2007), DXF (2004), DXF (2000), DXF (R14), DXF (R12)
CADフォント: LFF, CXF
PDF（またはプリンターへの直接印刷）
ベクター画像: SVG, CAM (Plain SVG)
ビットマップ画像: BMP, CUR, ICNS, ICO, JPG, PBM, PGM, PNG, PPM, TIF, WBMP, WEBP, XBM, XPM
LibreCADは、当初GNU LibreDWGライブラリを利用しようとしましたが、ライセンスの互換性問題（GNU LibreDWGがGPLv3、LibreCADがGPLv2）により、独自にlibdxfrwというGPLv2ライセンスのライブラリを開発しました。このライブラリは、他のソフトウェア（例: SolveSpace）でも利用されています。
LibreCADは、当初使用していたQCAD CEのCXF形式のフォントに関する著作権問題から、独自のフォント形式LFF（LibreCAD Font Format）を作成しました。LFFは、シングルストロークベクターフォント用のテキストファイル形式であり、LibreCAD内で直接編集したり、他の形式のフォントから変換することができます。コンバーターは、TTF、JHF、Shxなどの形式に対応しています。
LibreCADは、教育機関、企業、工場など、様々な場面で利用されています。教育現場では、製図やデザインの学習に使用され、企業や工場では、製品設計や製造に使用されます。また、ライセンスが無料であるため、ソフトウェアライセンスの予算削減を目的とした導入事例も多く、国際的な制裁回避のためにも利用されています。
2011年、欧州委員会のe-LIFE教育プロジェクトでは、LibreCADを含む無料CADの学習マニュアルが複数言語で提供されました。
ウクライナでは、長年ロシア製のCADソフトが使用されていましたが、2014年の露ウクライナ戦争以降、LibreCADなどの代替CADソフトへの移行が進んでいます。LibreCADは、教育機関や国家緊急サービス部門で正式に採用され、多くの技術者、設計者、フリーランサーに利用されています。
2021年、NASAが主催する学生研究チャレンジCELEREでは、参加者向けの教材としてLibreCADの使用に関するハンドブックが提供されました。
Comparison of computer-aided design software
BRL-CAD (LibreCADプロジェクトパートナー)
CAD Assistant (フリーウェアのCADビューア)
GDAL (オープンソースのGISおよびCADファイル形式コンバーター)
ODA Converter (フリーウェアのDXF/DWGバージョンコンバーター)
VariCAD Viewer (フリーウェアのCADビューア)
LibreCAD 公式ウェブサイト
LibreCAD ユーザーマニュアル
LibreCAD フォーラム
LibreCAD GitHub
LibreCAD SourceForge
ttf2lff オンライン TTF to LFFフォントコンバーター
歴史
LibreCADの歴史は、2010年頃にQCAD Community Edition 2.0.5から派生したプロジェクトとして始まりました。当初はQt3ライブラリをベースとしたGUIを採用していましたが、その後、Qt4、Qt5、Qt6ライブラリへの移行が進められ、より安定したクロスプラットフォームでの動作が可能になりました。
CADuntu
プロジェクト初期には「CADuntu」という名称が使用されていましたが、UbuntuおよびCanonicalとの関連性を避けるため、ユーザーとの協議の結果「LibreCAD」に名称が変更されました。
LibreCAD 1
LibreCAD 1の主な特徴は、GUIがQt4に移植されたことです。これにより、複数のプラットフォームで一貫したユーザーエクスペリエンスを提供できるようになりました。
LibreCAD 2
LibreCAD 2では、Qt5およびQt6ライブラリのサポートが実装され、よりモダンな環境での利用が可能になりました。現在（2024年）は、主に以下の3つのブランチで開発が進められています。
2.2.0.x：バグ修正を含むLTS（Long-Term Support）リリースです。
2.2.1_rc：新機能とコードのクリーンアップを含む、次期リリースのリリース候補版です。
2.2.2_alpha：実験的な新機能を多数搭載したアルファ版で、通常利用には推奨されません。
LibreCAD 3
LibreCAD 3は、LibreCADをゼロから完全に書き直す実験的なバージョンです。LibreDWGとの互換性を持ち、GPLv3ライセンスに対応するように設計されており、LuaスクリプトやリボンUIなどの新機能が搭載される予定です。開発はBRL-CADチームとの協力の下、2018年から2023年のGSoC（Google Summer of Code）セッション中に行われましたが、現在は開発が停滞しており、LibreCADチームはLibreCAD 2とlibdxfrwライブラリの開発に注力しています。
特徴
LibreCADは、60以上の言語に対応しており、世界中のユーザーが利用できます。内部的にはAutoCAD DXFファイル形式を標準として使用しており、様々なファイル形式のインポートとエクスポートが可能です。
ファイル形式
LibreCADは、バージョン2.2.0以降、以下のファイル形式の読み書きをサポートしています。
ファイルのインポートとブロックのインポート
CAD: DXF, DWG, Jw_cad, Shapefile（非推奨）
CADフォント: LFF, CXF
ベクター画像: SVG, SVGZ
ビットマップ画像: BMP, CUR, GIF, ICNS, ICO, JPEG, JPG, PBM, PGM, PNG, PPM, TGA, TIF, TIFF, WBMP, WebP, XBM, XPM
ファイルの保存
CAD: DXF (2007), DXF (2004), DXF (2000), DXF (R14), DXF (R12)
CADフォント: LFF, CXF
ファイルのエクスポート
PDF（またはプリンターへの直接印刷）
ベクター画像: SVG, CAM (Plain SVG)
ビットマップ画像: BMP, CUR, ICNS, ICO, JPG, PBM, PGM, PNG, PPM, TIF, WBMP, WEBP, XBM, XPM
libdxfrw
LibreCADは、当初GNU LibreDWGライブラリを利用しようとしましたが、ライセンスの互換性問題（GNU LibreDWGがGPLv3、LibreCADがGPLv2）により、独自にlibdxfrwというGPLv2ライセンスのライブラリを開発しました。このライブラリは、他のソフトウェア（例: SolveSpace）でも利用されています。
LFF (LibreCAD フォント形式)
LibreCADは、当初使用していたQCAD CEのCXF形式のフォントに関する著作権問題から、独自のフォント形式LFF（LibreCAD Font Format）を作成しました。LFFは、シングルストロークベクターフォント用のテキストファイル形式であり、LibreCAD内で直接編集したり、他の形式のフォントから変換することができます。コンバーターは、TTF、JHF、Shxなどの形式に対応しています。
使用法
LibreCADは、教育機関、企業、工場など、様々な場面で利用されています。教育現場では、製図やデザインの学習に使用され、企業や工場では、製品設計や製造に使用されます。また、ライセンスが無料であるため、ソフトウェアライセンスの予算削減を目的とした導入事例も多く、国際的な制裁回避のためにも利用されています。
各国の事例
欧州連合(EU)
2011年、欧州委員会のe-LIFE教育プロジェクトでは、LibreCADを含む無料CADの学習マニュアルが複数言語で提供されました。
ウクライナ
ウクライナでは、長年ロシア製のCADソフトが使用されていましたが、2014年の露ウクライナ戦争以降、LibreCADなどの代替CADソフトへの移行が進んでいます。LibreCADは、教育機関や国家緊急サービス部門で正式に採用され、多くの技術者、設計者、フリーランサーに利用されています。
アメリカ合衆国
2021年、NASAが主催する学生研究チャレンジCELEREでは、参加者向けの教材としてLibreCADの使用に関するハンドブックが提供されました。
参照
Comparison of computer-aided design software
BRL-CAD (LibreCADプロジェクトパートナー)
CAD Assistant (フリーウェアのCADビューア)
GDAL (オープンソースのGISおよびCADファイル形式コンバーター)
ODA Converter (フリーウェアのDXF/DWGバージョンコンバーター)
VariCAD Viewer (フリーウェアのCADビューア)
外部リンク
LibreCAD 公式ウェブサイト
LibreCAD ユーザーマニュアル
LibreCAD フォーラム
LibreCAD GitHub
LibreCAD SourceForge
ttf2lff オンライン TTF to LFFフォントコンバーター
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