Lies and Truth

L'Arc〜en〜Ciel 6th Single「Lies and Truth」

「Lies and Truth」（ライズ アンド トゥルース）は、日本のロックバンド、L'Arc〜en〜Cielが1996年11月21日にリリースした6枚目のシングルです。発売元はKi/oon Sony Records。前作「flower」から約1ヶ月後のリリースで、同年12月に発売された4thアルバム『True』の先行シングルとして位置づけられています。また、1997年11月にドラマーのsakuraが脱退したため、結果的に彼が在籍していた時期に発表された最後のシングルとなりました。

楽曲の背景

表題曲「Lies and Truth」は、1996年2月に行われたメンバーによるデモ曲披露会で、kenが提出したデモを基に制作されました。この曲出し会では、「風にきえないで」や「the Fourth Avenue Café」も提出されており、夏のシングルには「風にきえないで」、アルバム発売直前のシングルには「Lies and Truth」が選ばれました。

この曲は、軽快なカッティングとメロディアスなサビが特徴的な、哀愁を帯びた楽曲です。16ビートのリズムを取り入れ、ストリングス、ブラス、オルガンを大胆にフィーチャーしたアレンジは、L'Arc〜en〜Cielの新たな一面を覗かせます。また、1996年に発表された3枚のシングルは、いずれもポップスを意識して制作されました。hydeはインタビューで「ポップな曲での攻撃を覚え始めた」と語っており、kenも「売れない」という声に触発され、セールスを意識した曲作りを始めたと述べています。後年、kenは「メロディ指向のものがチャート上位に入っていたから」と、表題曲の制作背景を語っています。

カップリング曲には、新曲「賽は投げられた」が収録されています。こちらもkenが作曲し、メロディアスなサビが印象的なロックナンバーですが、hydeが社会に対するシニカルな視点を歌詞に込めています。

リリース

これまでのL'Arc〜en〜Cielは、アルバム発売前に多くのシングルをリリースすることはありませんでしたが、アルバム『True』のリリースに向けて、約半年の間に3枚のシングルをリリースしました。kenは、この戦略について「街にL'Arc〜en〜Cielの音楽を氾濫させようと思った」と語っています。本作は通常盤（CD）の1形態でリリースされ、当時は8cmシングルでしたが、2006年の再発企画で12cmシングルとして再リリースされました。

ミュージックビデオ

「Lies and Truth」のミュージックビデオは、竹内スグルが監督を務め、埼玉県入間市の旧石川組製糸西洋館で撮影されました。この映像は、ベストアルバム『The Best of L'Arc〜en〜Ciel 1998-2000』の初回限定盤特典DVDやクリップ集『CHRONICLE 0 -ZERO-』に収録されています。また、2022年4月8日からは、公式YouTubeチャンネルで無料公開されています。

収録曲

1. Lies and Truth
作詞: hyde / 作曲: ken / 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Akira Nishihira
軽快なカッティングと哀愁漂うメロディアスなサビが印象的な楽曲。ストリングスを大々的にフィーチャーし、L'Arc〜en〜Cielのシングル表題曲としては初めて生の弦楽器が取り入れられました。kenは、メロディが先にあって、それに合うようにストリングスを導入したと語っています。また、カッティングギターは、ポジション移動時のスライドを工夫することで、独特の雰囲気を出しています。sakuraは、バスドラムにエレクトリック・ドラムを使用し、音の分離を良くする工夫をしています。

hydeは、歌詞について「夜の雰囲気で、ミステリアスな感じにしたかった」と語っており、聴く人に儚く切ない印象を与えたいとコメントしています。また、歌詞は自分自身を投影したものではなく、周りの人の想いを書いたものだと述べています。

4thアルバム『True』には、アルバムバージョンとなる「"True" Mix」が収録されています。シングルバージョンとは異なり、エンディングにメロディが追加されており、カットアウトで終了します。

2. 賽は投げられた
作詞: hyde / 作曲: ken / 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Takeyuki Hatano
社会に対する皮肉めいた歌詞が印象的な、ドライブ感溢れるポップナンバー。kenは「勢い方面でのラルクの良さを見せられればいい」というイメージで作曲しました。秦野猛行がキーボードで参加しています。

sakuraはドラムフレーズを考えるのに苦労したと語っており、kenに相談しながら形にしたそうです。hydeは、ボーカルをギリギリのラインで歌い、聴きどころを作っています。ベースは全編ダウンピッキングで演奏されています。

歌詞は、世界情勢や環境破壊に対するシニカルな視点を描いており、＜何もかもどうかしているよ それとも僕がおかしい？ みんな幸せそうに愛を語る＞といったフレーズが並びます。歌詞の最後は、何も解決しないまま曲が終わります。hydeは、歌詞は「現在進行形（の話）」だと述べています。タイトルは、カエサルの言葉「賽は投げられた」から取られています。

タイアップ

Lies and Truth: テレビ東京系番組『TOWER COUNTDOWN』テーマソング

参加ミュージシャン

hyde：Vocal
ken：Guitars
tetsu：Bass
sakura：Drums
Lies and Truth
飛鳥ストリングス：Strings
西平彰：Strings Arrangement, Other Instruments
賽は投げられた
秦野猛行：Keyboards

カバー

高杉さと美 （2013年、カバーアルバム『Satomi』に収録）

収録アルバム

オリジナルアルバム
『True』 (#1,アルバムバージョン)
ベストアルバム
『Clicked Singles Best 13』 (#1)
『The Best of L'Arc〜en〜Ciel 1994-1998』 (#1)
『The Best of L'Arc〜en〜Ciel c/w』 (#2)
『TWENITY 1991-1996』 (#1,アルバムバージョン、#2)

参考文献

『PATi PATi』、ソニー・マガジンズ、1996年12月号
『Vicious』、シンコー・ミュージック、1996年12月号
『GiGS』、シンコー・ミュージック、1997年1月号
『PATi PATi』、ソニー・マガジンズ、1997年1月号
『ロッキンf』、立東社、1997年1月号
『uv vol.13』、ソニー・マガジンズ、1997年
『ROCKIN'ON JAPAN』、ロッキング・オン、2004年3月号
『別冊宝島1399 音楽誌が書かないＪポップ批評47 L'Arc-en-Cielの奇跡』、宝島社、2007年
* 『L'Arc〜en〜Ciel Box Set of The 15th anniversary in formation CHRONICLE of TEXT 01』、ソニー・マガジンズ、2006年

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