Lighttpd

lighttpd（ライティ）は、高速性を重視する環境に最適化されたWebサーバーです。その設計は、安全性、高速性、標準準拠、そして柔軟性を追求しています。C10K問題の概念実証としてJan Kneschkeによって開発され、「light」と「httpd」を組み合わせた名称が付けられました。

特徴

lighttpdは、メモリ消費量が少なく、CPU負荷を抑えた高速動作を特徴としています。そのため、負荷が問題となる環境や、静的コンテンツと動的コンテンツを区別して配信したい場合に特に適しています。他のWebサーバーと比較してCPU負荷が低く、速度が最適化されているため、負荷対策が必要なサーバーや、動的コンテンツとは別に静的メディアを提供するサーバーに適しています。また、lighttpdはオープンソースソフトウェアとして提供されており、BSDライセンスの下で配布されています。Unix系オペレーティングシステムとMicrosoft Windowsの両方でネイティブに動作します。

アプリケーションサポート

lighttpdは、外部プログラムとのインターフェースとして、FastCGI、SCGI、CGIをサポートしており、さまざまなプログラミング言語で記述されたWebアプリケーションをサーバー上で利用できます。特にPHPのパフォーマンスに注目されており、FastCGIを通じてPHPを効率的にサポートするように構成できます。また、データベース駆動型のWebサイト構築のために設計されたインメモリデータベースであるWebDNAもサポートしています。ただし、ISAPIはサポートしていません。

主な機能

サーバーロードバランシング、FastCGI、SCGI、HTTPプロキシのサポート
chrootシステムコールの利用
イベントメカニズムによるパフォーマンスの最適化（select(), poll(), epoll()）
kqueueやepollなどの効率的なイベント通知スキームのサポート
条件付きURLリライト(mod_rewrite)
OpenSSLによるSNI対応TLS/SSL
LDAPによる認証
RRDtoolによる統計情報
ルールベースのダウンロード管理
サーバーサイドインクルード（CGIは除く）
バーチャルホスト機能
モジュール機構による拡張性
キャッシュメタ言語(mod_magnetによるLua)
最小限のWebDAVサポート
サーブレット(AJP)サポート (1.5.x以降)
HTTP圧縮（mod_compress, mod_deflate）(1.4.42以降)
軽量な設計（1MB未満）
シングルプロセスで複数のスレッドを使用（接続ごとにプロセスやスレッドを生成しない）
HTTP/2|HTTP_2のサポート (1.4.56以降)

制限事項

1.4.40より前のバージョンでは、X-Sendfileを使用しない限り、CGI、FastCGI、プロキシからの大きなファイルの送信が公式にサポートされていませんでした。この制限は1.4.40で解消されました。また、HTTP/3|HTTP_3はサポートされていません。

使用事例

lighttpdは、BloglinesやXkcdなど、多くのトラフィックを処理するWebサイトで利用されています。過去にはMeeboやYouTubeでも使用されていました。また、ウィキメディア財団もlighttpdサーバーを運用しています。

関連情報

Webサーバーソフトウェアの比較
インターネットキャッシュプロトコル
プロキシサーバー (クライアント側プロキシ)
リバースプロキシ (オリジン側プロキシ)
トラフィックサーバー
Webアクセラレータ (ホストベースHTTPアクセラレーション)

外部リンク

lighttpd 公式Webサイト
lighttpd ドキュメント
lighttpd ブログ
Windows版lighttpd
freshmeatのページ
lighttpdを知っていますか？ | Think IT（シンクイット）
lighttpdでユーザー認証を行うには（Digest認証編） － ＠IT
* Webサーバ「lighttpd」でWebDAVを使うには － ＠IT

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