Link (L'Arc〜en〜Cielの曲)

L'Arc〜en〜Ciel 28th Single「Link」

L'Arc〜en〜Cielの28枚目のシングル「Link」は、2005年7月20日にKi/oon Recordsからリリースされました。この楽曲は、同年公開の映画『劇場版 [[鋼の錬金術師 シャンバラを征く者]]』のオープニングテーマとして書き下ろされたものです。前作アルバム『AWAKE』から約1ヶ月という短い期間でのリリースとなりましたが、これは1999年以来、6年ぶりに年間4作以上のシングルをリリースするという、L'Arc〜en〜Cielの精力的な活動の一環でした。

リリースとプロモーション

「Link」のリリースは、3つの形態で行われました。初回生産限定盤にはDVDが付属し、初回仕様限定盤には映画のフィルムが封入されるなど、それぞれの形態で異なる特典が用意されました。特に、DVD付きのシングルはL'Arc〜en〜Cielとして初の試みであり、話題を呼びました。

リリースプロモーションとしては、映画公開前夜祭にサプライズゲストとして登場し、「Link」と「LOST HEAVEN」の2曲を披露。また、MBS ANIME FES.'05にも出演するなど、積極的にメディア露出を行いました。

ミュージックビデオ

「Link」のミュージックビデオは、野田智雄氏が監督を務めました。コテージを舞台に、バンドの演奏シーンと、様々な人種のエキストラが登場し、リズミカルに踊るシーンが印象的です。また、夏らしいポップな楽曲に合わせて、プールの中でメンバーが演奏するシーンなど、遊び心あふれる映像となっています。このMV撮影中に、kenがバスケットボールで遊んでいる際に左足小指を骨折してしまうというハプニングもありました。そのため、音楽番組では松葉杖姿で出演し、椅子に座ってギターを演奏する姿を披露しました。このミュージックビデオは、クリップ集『CHRONICLE 3』に収録されています。また、2022年5月6日からはYouTubeでも無料公開されています。

収録曲解説

Link

作詞：hyde / 作曲：tetsu / 編曲：L'Arc〜en〜Ciel & Akira Nishihira

「Link」は、tetsuyaが作曲した、爽やかでメロディアスなポップミュージックです。tetsuyaは制作イメージについて、「アップテンポで疾走感があり、胸がキュンとするようなメロディー」を目指したと語っています。彼は歌のメロディーを最も重視しており、「しっかりとしたきれいなメロディーがあれば、どんなアレンジにも耐えうる」と考えています。また、「子供から大人まで歌えるような、普遍的なポップスを作りたかった」とも述べています。hydeは、この曲について「tetsuらしいカラーがありつつ、誰が聴いても認めざるを得ない必殺感がある」と評しています。曲の制作は、tetsuyaがソロ楽曲「lonely girl」のデモを制作した直後に行われたそうです。

曲のアレンジには、フィラデルフィア・ソウルのようなストリングスが取り入れられています。これは、tetsuyaが曲の着想を得たときから頭の中に鳴っていたものでした。また、yukihiroのアイデアにより、リズムはモータウン的なアプローチとなっています。yukihiroは、この曲のドラムプレイについて、「ポップチューンであることを意識して、あまり自己主張せず、歌を際立たせるようにした」と語っています。kenは、ギタープレイについて「昔のオールディーズのような明るく定番的な楽曲を意識した」と語り、高音弦を軽やかに演奏することを心がけました。また、この曲ではアコースティックギターも演奏しています。ベース録りでは、tetsuyaはサドウスキー製のベースを使用しました。編曲には、1996年以来、約9年ぶりに西平彰が参加しています。

hydeは、映画の脚本やテレビアニメを全て観賞し、映画製作陣との打ち合わせを踏まえて作詞を行いました。彼は「映画のオープニングテーマとして、物語の種を明かさないようにしつつ、曲のイメージを活かす歌詞」を心がけたと述べています。歌詞のテーマは、映画のテーマである「人と人との絆」に共鳴したもので、「絆」という側面からラブ＆ピースを表現したと語っています。映画に描かれた兄弟愛に感銘を受け、「今の自分の精神状態の中で一番共鳴する部分が兄弟愛の部分だった」とも述べています。歌詞には、「たとえ遠く離れても繋がる想い」や「君に捧げるなら全てを燃やしても良い」といったフレーズが登場します。また、反戦・平和への想いも歌詞に込められています。

タイトルは、hydeが曲のテーマである「人と人との絆」を表現する言葉として、「Link」というワードを選びました。当初、「絆」というタイトルも検討されましたが、曲のポップなイメージに合わないとして取り下げられました。この曲は、11thアルバム『KISS』にアルバムバージョン「KISS Mix」として収録されており、シングルバージョンと異なり、アウトロが完奏になっています。また、ボーカルのオーバーダブも施されています。

Promised land 2005 / P'UNK〜EN〜CIEL

作詞: hyde / 作曲: ken / 編曲: TETSU P'UNK

カップリングには、パートチェンジバンド、P'UNK〜EN〜CIELによる、5thアルバム『HEART』収録曲「Promised land」のセルフカバーが収録されています。tetsuyaは、「この曲を歌ってみたかった」と選曲理由を語っており、「キーを下げてウィスパーっぽく歌うことで、自分の声質に合わせられると考えた」と、アレンジについて説明しました。原曲からキーを下げ、リズムパターンも変更されています。

タイアップ

Link：松竹配給映画『劇場版 [[鋼の錬金術師 シャンバラを征く者]]』オープニングテーマ

参加ミュージシャン

Link / L'Arc〜en〜Ciel
hyde：Vocal
ken：Guitar
tetsu：Bass
yukihiro：Drum
tetsu：Keyboards, Handclap
西平彰：Keyboards, Manipurate, Handclap, Strings Arrangement
岡野ハジメ：Handclap
小池敦：Manipurate
金原千恵子ストリングス：Strings
Promised land 2005 / P'UNK〜EN〜CIEL
TETSU P'UNK：Vocal, Guitars
HYDE P'UNK：Guitar
YUKI P'UNK：Bass, Screams
KEN P'UNK：Drum

初回生産限定盤付属DVD

『劇場版 [[鋼の錬金術師 シャンバラを征く者]]』劇場トレーラー 『Link』Ver.
『劇場版 [[鋼の錬金術師 シャンバラを征く者]]』劇場トレーラー 『LOST HEAVEN』Ver.
TV Spot

収録アルバム

オリジナルアルバム
『KISS』 (#1,アルバムバージョン)
ベストアルバム
『QUADRINITY 〜MEMBER'S BEST SELECTIONS〜』 (#1,アルバムバージョン)
『TWENITY 2000-2010』 (#1,アルバムバージョン)
セルフカバーアルバム
『P'UNK IS NOT DEAD』 (#2)
コンピレーションアルバム
『鋼の錬金術師 BOX SET -ARCHIVES-』 (#1)
『鋼の錬金術師 THE BEST』 (#1)

参考文献

『WHAT's IN?』、ソニー・マガジンズ、2005年8月号
『WORDS L'Arc〜en〜Ciel』、角川書店、2005年
『WORDSⅡ L'Arc〜en〜Ciel』、角川マガジンズ、2010年
* 『BASS MAGAZINE SPECIAL FEATURE SERIES/tetsuya L'Arc〜en〜Ciel』、リットーミュージック、2010年

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