Lovin' Cup

『Lovin' Cup』（ラヴィン・カップ）は、日本のロックミュージシャン、柳ジョージが1997年9月22日にユニバーサルビクターからリリースしたカバーアルバムです。1993年の『KING BEE BLUES』以来、約4年ぶりのカバーアルバムとなり、柳ジョージの音楽的なルーツであるR&Bなどの楽曲をカバーした作品となっています。

アルバムの背景と特徴

柳ジョージは、本作のリリースに際し、CDの帯で自身の思いを語っています。収録曲は、ポピュラーなものから、エルビス・プレスリーの「HEARTBREAK HOTEL」やミラクルズの「YOU'VE REALLY GOT A HOLD ON ME」などが収録されています。それ以外にも、キャノンボール・アダレイ、レイ・チャールズ、エルモア・ジェームスなど、ブルースやR&Bの重要なアーティストの楽曲が選ばれており、柳ジョージの深い音楽的造詣が伺えます。

CDジャーナルは、このアルバムに対し、「全11曲でポピュラーなものは『HEARTBREAK HOTEL』と『YOU'VE REALLY GOT A HOLD ON ME』ぐらいで、あとはかなりシブイ選曲。」と評しつつも、「本人の解説も付き、その思い入れが伝わってくる。かなり歌い込んでいるフシあり。」と、柳ジョージの熱意と演奏を評価しています。

収録曲について

アルバムには、以下の楽曲が収録されています。

HEARTBREAK HOTEL：エルビス・プレスリーの1956年のヒット曲。
MERCY MERCY MERCY：キャノンボール・アダレイの1966年の楽曲で、バッキンガムズによるカバーバージョンを参考にしている。
DROWN MY OWN TEARS：レイ・チャールズが1956年に発表した楽曲。
LOVIN' CUP：ポール・バターフィールド・ブルース・バンドの楽曲のカバー。
YOU'VE REALLY GOT A HOLD ON ME：ミラクルズの楽曲で、ビートルズもカバーしている。
THE SKY IS CRYING：エルモア・ジェームスの1960年の楽曲。
MIDNIGHT TRAIN：スペンサー・デイヴィス・グループの楽曲のカバー。
CAN'T KEEP FROM CRYING SOMETIMES：ブラインド・ウィリー・ジョンソンの楽曲のアル・クーパーによるカバーバージョンを参考にしている。
ROCK ME BABY：B.B.キングの1964年の楽曲。
NOBODY KNOWS YOU WHEN YOU'RE DOWN AND OUT：ベッシー・スミスの楽曲で、デレク・アンド・ザ・ドミノスもカバーしている。
* FOREVER MAN (Special Track)：エリック・クラプトンの楽曲で、大村憲司がアレンジを担当し、NISSAN『グロリア』のCMソングとしても使用された。

参加ミュージシャン

アルバムには、柳ジョージを中心に、LOVIN' CAP BLUES BANDのメンバーである岡沢敏夫（ギター）、角田俊介（ベース）、河村“KAASUKE”智康（ドラムス）、田原音彦（キーボード）などが参加しています。さらに、荒木敏男（トランペット）、西村浩二（トランペット）、村田陽一（トロンボーン）、山本拓夫（サックス）、八木のぶお（ハーモニカ）、大村憲司（ギター）、美久月千晴（ベース）、青山純（ドラムス）など、豪華なミュージシャンが参加しています。

『Lovin' Cup』は、柳ジョージのルーツミュージックへの愛情と、卓越した音楽性が融合した、聴きごたえのあるカバーアルバムです。

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