M117 (爆弾)

M117爆弾について

M117は、アメリカ合衆国の軍隊で使用された航空機搭載用の汎用爆弾です。この兵器は1950年代初頭から朝鮮戦争の時期にかけて使用されており、名目上の重量は340kgですが、実際の重量は信管や減速装置によって約372kgに達します。炸薬量は一般的に183kgのマイノール2またはトリトナールで構成されています。また、この爆弾は中高度や高高度からの投下を可能にするために、低抵抗尾翼を取り付けることができました。

歴史

1950年代から1970年代初期にかけて、M117はアメリカ軍の代表的な航空機用兵装として広く使用されました。この爆弾は、F-100スーパーセイバー、F-104スターファイター、F-105サンダーチーフ、F-111アードバーク、F-4ファントムIIなどの様々な航空機に搭載されました。また、ベトナム戦争においても活躍し、特にB-52G爆撃機は「砂漠の嵐作戦」において44,600発のM117爆弾を投下しています。現在ではM117爆弾はB-52爆撃機にのみ搭載され、現代の戦術航空機ではMk 80シリーズの爆弾、特に227kgのMk 82や904kgのMk 84が一般的に使用されています。近年では、それらの爆弾に加えて誘導兵器も多く用いられています。

派生型

M117にはいくつかの派生型が存在します。

M117R

M117R爆弾（Rは「Retarded」を意味します）は、投下時に高抵抗もしくは低抵抗の状態を選択できる特殊な尾翼を持っています。低高度での投下時には、尾部から4つの大型ドラッグプレートが展開され、爆弾の落下速度を減少させ、機体が爆風から安全に離脱するのを助けます。

MAU-103/MAU-91

M117Rモデルに装備されている尾部ユニットは、MAU-103低抵抗テイルおよびMAU-91高抵抗テイルの2種類があります。

M117D

M117D爆弾（Dは「Destructor」を意味します）はM117Rに似ていますが、磁気感応式の信管を装備しており、機雷としても機能します。この爆弾は高抵抗状態で投下され、地面に埋め込んだり浅い水域に設置することができます。目標が近くを通過すると信管が作動して起爆します。

MC-1

M117はMC-1爆弾の基本設計としても用いられていますが、これは弾体にサリン神経ガスを充填したもので、実戦には導入されていません。MC-1爆弾は2006年にアメリカの備蓄から除去されました。

BOLT-117

BOLT-117は1967年から1968年にかけて開発された世界初のレーザー誘導爆弾で、MB-1/Bという制式名称も持ちます。構造はM117の弾体にKMU-342レーザーシーカーヘッドとフィンを組み合わせたもので、操舵翼は後部に配置されています。しかし、使用期間は比較的短く、後にMk.80シリーズを基にしたペイブウェイシリーズに取って代わられることとなりました。

参考文献

• - Arsenal of Democracy II, Tom Gervasi, ISBN 0-394-17662-6
• - Janes Air Launched Weapons Issue 36, ISBN 0-7106-0866-7

外部リンク

• - OAI.DTIC.mil: Finned/Retarded BLU-1B/C Version Tested
• - VectorSite.net: Smart Bombs and Dumb Bombs

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