M8 75mm自走榴弾砲

M8 75mm自走榴弾砲：歩兵支援に貢献したアメリカの自走砲

M8 75mm自走榴弾砲は、第二次世界大戦中にアメリカ合衆国で開発された自走砲であり、M8スコットという愛称でも知られています。この愛称は、米墨戦争の英雄であるウィンフィールド・スコット将軍に由来します。

開発の経緯

M8自走榴弾砲は、M5軽戦車の車体を基に開発されました。開発当初は、M5軽戦車の砲塔を撤去し、オープントップの新型砲塔を搭載した試験車両が製作され、T47と呼称されました。車体上面に大型砲塔を搭載したため、操縦手と副操縦手用のハッチは車体前面上部に設けられました。試作車のT47自走榴弾砲は1942年4月初めに完成し、同年5月に「M8 75mm自走榴弾砲」として制式化され、試験と改修を経て、同年9月から生産が開始されました。

M8自走榴弾砲の生産は、M5軽戦車の開発を担当したキャデラック社が担当し、1942年9月から1944年1月までに計1,778両が完成しました。

兵装

M8自走榴弾砲は、新開発のオープントップ砲塔に75mm M2榴弾砲を搭載していました。後に75mm M3榴弾砲に換装された車両も存在します。砲身には保護スリーブが装着されており、外見上は砲身が太く見えます。搭載弾薬は75mm砲弾46発で、M89煙幕弾やM48高性能榴弾を使用しました。弾薬数が少ないため、必要に応じて弾薬トレーラーを牽引することもありました。

M5軽戦車が装備していた7.62mm機銃は搭載されず、自衛用として砲塔に12.7mm重機関銃M2が装備され、12.7x99mm NATO弾を400発搭載していました。

戦歴

M8自走榴弾砲は、第二次世界大戦中にイタリア戦線、西部戦線、太平洋戦線など、様々な戦場に投入されました。戦後も第一次インドシナ戦争でフランス連合軍やベトナム国軍によって使用されました。しかし、より強力な105mm榴弾砲を搭載したM7自走砲の登場により、次第に代替されていきました。

派生型

M8 75mm自走榴弾砲: M5軽戦車の車体をベースとした基本型です。
M8A1 75mm自走榴弾砲: M5A1軽戦車の車体をベースとしています。一部車両は主砲がM3 75mm榴弾砲に換装されました。

登場作品

World of Tanks: アメリカ駆逐戦車M8A1として開発可能です。
War Thunder: アメリカ陸軍ランク1駆逐戦車M8として開発可能です。

参考文献

AFV Database
Line Drawings of M8 from LoneSentry.com

関連項目

T18自走榴弾砲
[LVT]] - LVT]-4がM8自走[[榴弾砲の砲塔を装備しました。
DN-V Bufalo - メキシコ製の装甲兵員輸送車「DN」をベースに、M8自走榴弾砲の砲塔を搭載したメキシコ製の自走砲です。
スタッグハウンド装甲車 - M8自走榴弾砲の砲塔を装備した派生型が試作されました。

M8 75mm自走榴弾砲は、M5軽戦車の機動力を活かし、歩兵部隊への近接支援や火力支援に貢献しました。その派生型や関連車両を含め、第二次世界大戦におけるアメリカ軍の重要な自走砲の一つとして記憶されています。

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