MAGねっとホールディングス

株式会社MAGねっとホールディングス：変遷と事業の軌跡

株式会社MAGねっとホールディングス（MAG NET HOLDINGS ,INC.）は、債権回収業を主に行うグループの持株会社です。その歴史は、電子部品商社からパソコンショップ「T-ZONE」の運営、そして投資業や不動産賃貸の保証業務へと多岐にわたります。かつては株式会社SFCGのグループ企業でした。

パソコン小売店「T-ZONE」としての成長

そのルーツは、株式会社亜土電子工業という外資系の電子部品商社に遡ります。同社は、主に米韓台との貿易を行いながら、秋葉原に店舗を構えて小売も手掛けていました。1980年代のマイコンブームの中心地の一つとなり、マニアの間で知られる存在でした。

1987年、本店ビル「T-zone」を建設中に資金難に陥っていた株式会社トヨムラと業務提携。「T-ZONE」の商号を使用し始めました。亜土電子の店「T-ZONE ADO」では、MacintoshやIBM PS/2|IBM PS_2シリーズなどの海外製パソコンやPC/AT互換機|PC_AT互換機を扱っていました。1980年代後半のパソコン普及期には、バブル景気の追い風を受け、家電量販店のミナミ電気館（現ドン・キホーテ秋葉原店）を旗艦店に、パソコンショップ「T・ZONE」を海外展開するまでに成長しました。

しかし、急激な事業拡大、バブル崩壊による金利負担の増加、主力商品の一般化による独自性の喪失、価格競争への巻き込まれなどが原因で経営が悪化。1995年にCSKの資本参加を受け入れ、同社の子会社となりました。1999年には社名を株式会社CSK・エレクトロニクスに変更しました。

SFCG傘下での投資会社への転換

2002年、親会社であるCSKが、創業者の死去に伴い方針転換。グループ企業の整理に着手しました。SFCG系の投資組合「ヴィーナス・ファンド・ホールディングス」がCSK・エレクトロニクスに対してTOBを実施し、子会社化（事実上の会社譲渡）されました。社名は「株式会社ティー・ゾーン」に再変更。以降、投資用持株会社としての性格を強めていきました。2003年には、投資子会社の株式会社T・ZONEキャピタル（後の株式会社TZCS）を設立しています。

これと並行して、不採算店舗の撤退を開始。秋葉原本店をリニューアルしたものの、移転・縮小を余儀なくされ、最終的には「T-ZONE PC DIY SHOP」のみが残りました。2003年8月には会社分割を実施し、パソコンパーツ関連部門を新設子会社の株式会社T・ZONE DIYに移管。株式会社ティー・ゾーンは株式会社T・ZONEホールディングスに社名変更しました。

事業持株会社「MAGねっと」へ

T・ZONEホールディングスは、子会社からの配当金に収入が限られ、資金調達が困難でした。そこで、資金調達を有利にするため、買収していた不動産鑑定業の株式会社MAGを吸収合併し、事業持株会社化しました。社名も株式会社MAGねっとに変更し、不動産情報検索サイトの名称を冠しました。

2009年には、カーチスホールディングスを傘下におさめるなど、グループの事業が拡大。迅速な経営判断のために会社分割を実施し、不動産保証業務を行う子会社を設立しました。株式会社MAGねっとは株式会社MAGねっとホールディングスに商号変更し、純粋持株会社となりました。

しかし、親会社のSFCGの経営が悪化。SFCGが保有していた当社の株式は自社株式となり、SFCGとの資本関係は解消されました。2010年には、主力だった不動産賃貸保証事業とパソコン関連製品販売事業から撤退。現在は、子会社の株式会社ジャスティス債権回収が行う債権回収業がグループの主な事業となっています。

沿革

1975年：株式会社亜土電子工業として設立
1987年：店頭市場（現ジャスダック市場）に株式登録、T-ZONE 1号店を秋葉原に出店
1995年：株式会社CSKと資本提携
1999年：株式会社CSK・エレクトロニクスに商号変更
2002年：株式会社ティー・ゾーンに商号変更
2003年：株式会社T・ZONEキャピタル設立、株式会社T・ZONE ホールディングスに商号変更
2008年：株式会社MAGを吸収合併し、株式会社MAGねっとに商号変更
2009年：株式会社MAGねっとホールディングスに商号変更
2010年：不動産賃貸保証事業とパソコン関連製品販売事業から撤退
2016年：ジャスダック上場廃止

現在の事業体制

株式会社MAGねっとホールディングスは、株式会社ジャスティス債権回収を100%子会社として抱え、債権回収業を主に行っています。かつての子会社であった株式会社T・ZONEストラテジィは、2013年に吸収合併されました。

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