MEarth

MEarthとは

MEarthは、アメリカ国立科学財団が設立した太陽系外惑星探査のための天文台です。この天文台は、惑星が恒星の手前を通過する際に発生するわずかな減光を観測する「食検出法」という手法を用いて惑星を探しています。特に、太陽に比べて小さく暗い赤色矮星（M型主系列星）を観測対象としているため、「MEarth」という名称が付けられました。

概要

MEarthは、アメリカ・アリゾナ州のホプキンズ山にあるフレッド・ローレンス・ホイップル天文台内に設置されています。観測システムは、口径40cmの望遠鏡が8台組み合わさったもので、自動的に約2000個の恒星の明るさの変化を監視しています。この計画は、デイビッド・シャルボノー氏が主導しています。

MEarth計画の主な目的は、赤色矮星の周囲に存在する、地球の2倍以上の半径を持つスーパーアース（巨大地球型惑星）を食検出法で発見することです。多くの系外惑星探査計画では太陽のような恒星を観測対象とすることが多いのですが、MEarthでは赤色矮星に焦点を当てています。これは、食検出法が恒星の近くを公転する惑星の観測に適しているものの、太陽のような明るい恒星の周りでは、惑星が高温になりすぎて生命の存在が期待できないからです。一方、赤色矮星は太陽に比べて光度が小さいため、恒星に近い惑星でも温度が上がりすぎず、生命が存在可能な環境が期待できます。また、赤色矮星の周りを公転する惑星は公転周期が短く、観測が比較的容易であるという利点もあります。

成果

2009年、MEarthは最初の惑星発見を報告しました。この惑星はGJ 1214という赤色矮星の周りを公転しており、「GJ 1214 b」と名付けられました。GJ 1214 bは、質量が地球の約6.6倍、半径が約2.7倍と推定されており、平均密度や温度の推定から液体の水が存在する可能性があると考えられています。ただし、この惑星は海洋が惑星の深部まで広がっている海洋惑星であり、地球よりも高温で、水素とヘリウムを多く含む大気を持つと推測されており、地球とは異なる環境にあるとされています。そのため、GJ 1214 bが生命居住可能な惑星であるかどうかはまだ確定していません。

また、MEarthの観測では、惑星だけでなく赤色矮星の食連星も発見されています。MEarthの研究チームは、M型の赤色矮星のうち10%が居住可能な惑星を持っていると仮定した場合、MEarth計画によって計算上、2.6個の居住可能な惑星が見つかる可能性があると述べています。

発見した天体

GJ 1214 b: 太陽系外惑星
GJ 3236: 連星であることを発見
LHS 1140b

参考文献

MEarth公式サイト

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