MF.7 (航空機)

モーリス・ファルマン MF.7

モーリス・ファルマン MF.7は、第一次世界大戦時代においてフランスが開発した偵察・爆撃機であり、モーリス・ファルマンが設計を手掛けました。初飛行は1912年に行われ、単発複葉機という形式で、多くの国において多用途機として幅広く使用されました。

機体の特長

この機体は、前翼と尾翼が前後に配置され、推進式の単発プロペラを搭載しているのが特徴です。高い安定性を持つため、訓練用機や偵察機としてのニーズに応えました。その形状から、イギリスでは「ロングホーン」、日本では「丁髷」といったあだ名が付けられているほどユニークなデザインをしています。

第一次世界大戦の開戦時には、フランスやイギリスの航空部隊によって装備されていましたが、航空技術が急速に進歩する時代の中で、MF.7はその性能が低下し、直ちに最新のMF.11に交代して早期に前線から退役し、以後は練習機や補助機として利用されました。

日本での導入と運用

日本陸軍は1913年に4機のモーリス・ファルマン式1913年型飛行機を輸入し、その後、東京砲兵工廠や臨時軍用気球研究会によって国産化が進められ、最終的には23機が製造されました。この国産機は「モ式三年型飛行機」または「モ式三型飛行機」として知られています。また、1914年には事故で墜落した1機を改造し、「会式三年型飛行機」と名付けました。

艦隊もモーリス・ファルマンの浮舟型を購入し、モーリス・ファルマン式小型水上機（モ式イ号水上機）として使用しました。これに対しても横須賀海軍工廠において国産化された機体が存在します。1914年には青島攻略戦で陸軍機が参加し、ドイツのエトリッヒ タウベ機と遭遇しましたが、性能差により空戦に持ち込まれることはありませんでした。

最終的には、陸軍向けの機体はモ式四型に置き換えられて退役し、海軍機についてはモ式大型水上機を購入後も練習機として使用され、その後退役しました。

性能諸元

• - 乗員: 2名
• - 全長: 12.00 m
• - 全幅: 15.50 m
• - 全高: 3.45 m
• - 自重: 580 kg
• - 全備重量: 855 kg
• - 発動機: ルノー 8B V型8気筒70馬力 × 1
• - 最大速度: 95 km/h
• - 実用上昇限度: 4,000 m
• - 航続時間: 3時間15分

現在の状況

現存しているMF.7は、ル・ブルジェ航空宇宙博物館やノルウェー科学技術博物館に保管されています。これらの博物館では、この歴史的航空機の貴重な資料として展示されています。

このように、モーリス・ファルマン MF.7はその独自のデザインと安定性によって、第一次世界大戦期の航空機の中でも特異な位置を占めていました。その運用歴は、各国の航空力量の向上にも寄与しており、航空史の重要なページを飾る機体として評価されています。

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