MINEサーキット

MINEサーキットの歴史とその影響

MINEサーキット（みねサーキット）は、山口県美祢市にかつて存在した自動車レース場で、1972年11月に「厚保サーキット」という名称で開業しました。日本国内では鈴鹿サーキットや富士スピードウェイに次ぐ、5つ目のスポーツカーサーキットとして位置づけられています。

初の開催レースとなる「西日本オールスターレース」は1973年4月1日に行われ、その後のレースでは日本では珍しい反時計回りで進行しました。1976年にはコースが延長され、名称も「西日本サーキット」と改められ、さらに1991年に大規模な改修を行い「MINEサーキット」に変わりました。新設されたコースは全長3330メートルで、高速コーナーは少ないものの、コースに配された長いストレート部分が特長でした。

このサーキットでは、フォーミュラ・ニッポンや全日本ロードレース選手権、全日本F3選手権、スーパー耐久など、多くの全日本クラスのレースが開催されました。特にオートポリスの開業前は、九州や中国地方におけるモータースポーツの中心地となり、多くのファンに支えられ、またサーキット初心者や中級者向けの走行会も人気を博しました。

しかし、2002年の経営不振によって、MINEサーキットはサーキット運営会社の民事再生手続きに入ります。2006年にタカラの子会社が経営権を引き継ぎましたが、その後、閉鎖の発表がなされます。そして同年2月28日をもってサーキットとしての歴史が幕を閉じ、以降はマツダの美祢自動車試験場として新たな利用が開始されます。

サーキット閉鎖の知らせは多くのファンに衝撃を与えました。特に、2006年に予定されていたフォーミュラ・ニッポンやスーパー耐久のレースが開催中止や場所変更を余儀なくされたのです。また、地元のモータースポーツ関係者の中には、サーキットの営業継続を望む声が多く聞かれました。

美祢サーキットのアクセスと周辺環境

美祢サーキットは、設立当初は美祢インターチェンジから37kmの距離に位置し、交通アクセスが悪く利用者にとって不便でした。しかし、1997年に近隣に美祢西インターチェンジが開設されたことでアクセスが大幅に改善されました。また、サーキット内には気軽に利用できるレストランもあり、観戦客にとっては魅力の一つです。

サーキットの北側には「セントラルパークゴルフ倶楽部」があったものの、周囲にはガソリンスタンドとコンビニが一軒ずつしか存在せず、立地は依然として制約がありました。サーキット内部の観戦スポットやロケーションは独自の魅力があり、記憶に残るレース体験を提供しました。

サーキット閉鎖後の利用状況

現在、MINEサーキットはマツダの美祢自動車試験場として運用されています。ここでは新型車の開発に関する試験が行われている他、特定のイベントが開催されることもあります。一般への開放イベントも一部行われており、参加者はコースを体験することができますが、通常のサーキット走行は許可されていません。

このように、MINEサーキットはその歴史の中で数多くの人々に愛され、モータースポーツ文化に貢献してきました。サーキットの閉鎖後も、マツダの試験場として新たな時代を迎える現在、その名残は多くのファンの心に刻まれています。

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