MP35

MP35 短機関銃

MP35（Maschinenpistole 35）は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツで開発された短機関銃です。ドイツ国防軍、武装親衛隊、その他の警察組織で広く使用されました。1930年代初頭にエミール・ベルクマン技師によって設計され、MP18と同様にズールのベルクマン武器製造社で生産されました。

歴史

MP35の原型であるMP32は、9x23ベルクマン弾を使用し、ベルクマン社からライセンスを受けたデンマークのシュルツ&ラーセン社で製造されました。1934年には、改良型のMP34がベルクマン社から発表されましたが、これはステアー社製の同名短機関銃とは別の製品です。ベルクマン社だけでは生産能力が不足していたため、ワルサー社のツェラメーリス工場でも製造が行われました。ベルクマンMP34の総生産数はおよそ2,000丁でした。

標準的なベルクマンMP34の銃身は200mmで、320mmの長銃身モデルも設計されました。1935年には、ベルクマンMP34の設計を簡略化したベルクマンMP35/Iが発表されました。MP35/Iもベルクマン社とワルサー社が共同で生産し、1936年から1940年までにおよそ5,000丁が製造されました。

第二次世界大戦が始まると、生産はワルサー社からユンカー&ルー社に変更され、1944年まで製造が続けられました。ユンカー&ルー社では、戦争中に約40,000丁のMP35を製造し、そのほぼ全てが武装親衛隊に配備されました。

動作機構

MP35はブローバック式で、セレクティブファイア（単発/連発切り替え）機能を備えた短機関銃です。オープンボルトから撃発します。特徴的なのは、機関部右側面に設置された非往復式のコッキングハンドルで、当時のドイツ軍主力小銃モーゼルK98kと同様の操作方法を採用しています。ボルトハンドルを持ち上げて後方に引き、戻すことでボルトが後退します。射撃時にはこのハンドルは動作しません。

一般的なオープンボルト式の銃と比較して、MP35は弾倉装着時の開口部が排莢口のみであるため、砂塵などの異物が機関部に侵入しにくいという利点があります。しかし、その反面、製造コストが高くなるという欠点も抱えていました。

ベルクマンMP32の安全装置は機関部後端にあり、これもモーゼルK98kと類似した配置です。MP34とMP35の安全装置レバーは銃の左側面に設けられています。トリガーは二重構造で、軽く引くと単発、一杯に引ききると連発で射撃できます。同時代の短機関銃の多くが左側面に弾倉を装填するのに対し、MP35は右側面に装填し、排莢は左側面で行われます。MP32とMP34は独自の弾倉を使用していましたが、MP35ではMP28と共通の弾倉を使用しました。銃身は筒状の放熱器で覆われており、銃口には制退器が備えられています。

運用

MP35はドイツ国防軍でも採用されましたが、主に親衛隊で使用されました。デンマーク軍では、MP34をMitraillette 34として制式採用しました。その他、ボリビア、エチオピア、スペイン、スウェーデンなどにも輸出されました。

脚注

短機関銃・PDW等一覧
MP40

外部リンク

* Modern Firearms - MP.35 Bergmann

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