Massive Ordnance Air Blast bomb

MOAB（モアブ）について

概要

MOAB（Massive Ordnance Air Blast、大規模爆風爆弾）、公式名称はGBU-43/Bは、アメリカ空軍によって開発された航空機搭載型の爆弾であり、その破壊力は通常兵器の中でも群を抜いています。2017年1月時点で、MOABは「全ての爆弾の母」という逸話的な名前でも知られています。これは、イラク戦争の際にサダム・フセインが使用した「全ての戦争の母」という表現に由来しています。

この爆弾は、長さ約9.1メートル、重さ約9,800キログラムを誇り、その中には8,482キログラムの炸薬が含まれています。炸薬の具体的な成分は開示されていないものの、スラリー爆薬やトリトナール（TNTとアルミニウム粉末の混合物）が使用されているとの情報も存在します。デザインの理念は、ベトナム戦争やアフガニスタン戦争で見られたデイジーカッターと似ています。

MOABのサイズは、第二次世界大戦中のグランドスラム爆弾より少し小さく、現在のところ、通常爆弾の中で最大です。実験においては、爆発の衝撃により特異なキノコ雲が発生すると報告されています。MOABは、長さがあるため、従来の戦略爆撃機では搭載できず、大型輸送機からパラシュートを用いて空中投下されます。投下後はGPS誘導によって軌道を制御できるため、高い精度を持ち、高高度からの投下が可能です。

開発と運用

MOABは、デイジーカッターの進化型として2002年に開発が開始されました。航行宇宙と防衛に特化した企業ダイネティクス社がプロジェクトに参加し、わずか3カ月で設計が完了しました。2003年にはフロリダ州のエグリン空軍基地で実地試験が行われ、同年11月にも再度の試験が実施されましたが、本格運用はされませんでした。

イラク戦争が勃発した際には、国防総省はMOABを「衝撃と畏怖」の戦略の一部として提案したものの、実際に使われたのは2003年以降に実戦配備された一度きりでした。2017年4月13日、アメリカ軍はアフガニスタンのナンガルハール州において、敵のISILに対する攻撃でMOABを初めて使用しました。この攻撃により、ISILの戦闘員90人以上が死亡したと報告されています。これは、地下要塞を多く持つ北朝鮮への警告とも見なされました。

性能諸元

• - 全長: 9.14メートル
• - 直径: 1.03メートル
• - 総重量: 9,752キログラム
• - 炸薬量: 8,482キログラム

関連項目

MOABに関連する情報は多岐にわたります。特にデイジーカッターやグランドスラムの研究が進められており、イラク戦争や燃料気化爆弾、大型貫通爆弾といった類似の兵器にも触れることができます。これらの兵器は、戦闘における新たな戦略と技術の進化を象徴しています。

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