Me 328 (航空機)

Me 328（Messerschmitt Me 328）

メッサーシュミットによって設計されたMe 328は、第二次世界大戦中にドイツ空軍向けの試作戦闘機および爆撃機として計画されました。パルスジェットエンジンを用いたこの機体は、安価で簡便な高速機の量産を目的としており、緊急時には昼間の戦闘機としても使用される可能性を考慮していました。

開発の経緯

1942年に始まった開発プロジェクトでは、特に低空での爆撃を効率よく行うための設計が求められていました。同じく先行して行われたDFSの作業を参考にしつつ、メッサーシュミットの技術者たちはP.1079という新たな設計案を策定しました。この設計案では、簡潔な単座配置で、様々な型のエンジンを搭載できるよう考慮されています。

1943年には、戦争の状況が変化し始め、連合軍の欧州上陸が予想される中で、Me 328の実現に向けた動きが活発化しました。DFSとメッサーシュミット社が協力し、ヤコブ・シュヴァイアー社がプロジェクトに参加しました。製造資材には非戦略的なものが使用される計画で、機体は主に木材を利用することになりましたが、開発段階では合板や複合材料のテストも行われました。

この間、メッサーシュミット社は風洞実験を実施し、パルスジェットエンジンの取り付け位置を最適化しました。エンジンは主翼の下に配置され、振動や騒音の影響を最小限に抑える工夫がなされました。しかし実機では予期せぬ排気の振動により、尾部や尾翼に損傷が発生しました。この問題を克服するため、ジェットの排気口は尾翼の下に通す設計に変更されました。

驚くべきことに、Fw 190やBf 109の1機のコストでMe 328を4機製造できる見込みが立てられたのです。これは、主にパルスジェットエンジンが非常に安価であったためです。

機体設計

Me 328の機体は、円形断面の胴体に中翼式の主翼を持ち、キャノピーが突起した形状をしています。全体的には、後に作られるHe 162よりも小型かつシンプルに設計されています。主翼は細長く、前縁にはスラット、後縁にはフラップを装備しており、スパンを調整可能でした。また、防弾機能も考慮されており、燃料タンクは自動洩れ止め機能を持ち、パイロットのためには防弾装甲と防弾ガラスが取り付けられていました。

離陸時には引き込み式のソリを使用し、通常は地上でドリーに載せて運用されました。

試験とテスト

Me 328は基本型、昼間戦闘機型のMe 328A、低空爆撃機型のMe 328Bが計画され、シュヴァイアー社は10機の原型（V1からV10まで）を製作しました。最初のV1号機はエンジンなしで母機の上に乗せられ、空力テストが行われ、その後約3,000mから6,000mの高度から滑空試験が実施されました。最大速度は745 km/hに達し、空力的に難点があったものの、不利を逆転できる特性が確認されました。実戦ではHe 177やMe 264を母機として想定しています。

その後はさまざまな離陸のためのテストが実施され、結果としてパルスジェットエンジンは高度が上がると出力が大幅に低下することが分かり、戦闘機としての適性が問われる事態になりました。戦闘機型の改良版として双発のMe 328A-1や4発のMe 328A-2も検討されました。

Bシリーズ、Cシリーズへの展開

Bシリーズは設計が進められましたが、パルスジェットの性能への懸念からキャンセルされる可能性がありました。代わりに、Jumo004Bターボジェットエンジンを搭載したCシリーズが考えられましたが、安価で簡易な目的に反するとして計画は不発に終わりました。1944年には無動力版のMe 328Bが有人滑空爆弾として試験されたものの、実機は完成に至らなかったとされています。

スペック（Me 328A-1）

• - 乗員: 1名
• - 全幅: 6.40m
• - 全長: 6.83m
• - 全高: 1.60m
• - 自重: 1,600kg
• - 全備重量: 4,500kg
• - エンジン: As 014パルスジェット（推力300kg）×2
• - 最高速度: 805km/h
• - 航続距離: 485km
• - 武装: 20mm機関砲×2

Me 328の開発は多くの技術的試行錯誤を伴い、その成否はさまざまな要因に左右されましたが、戦争の激動の中で設計の過程自体が非常に興味深く、航空技術の発展に寄与したと言えるでしょう。

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