Midori (ウェブブラウザ)

Midori（ミドリ）は、軽量かつ高速な動作を追求したクロスプラットフォーム対応のオープンソースウェブブラウザです。その名称は日本語の「緑」に由来しています。開発の基盤には、Mozilla Firefoxから派生したブラウザであるFloorpが採用されており、レンダリングエンジンにはGeckoが用いられています。

Midoriの歴史と変遷

初期のMidoriは、2018年以前にはXfce Goodiesコンポーネントの一部として存在し、レンダリングエンジンにWebKit、ツールキットにGTK2を使用していました。しかし、2019年にAstian, Incによって統合された後、Electronを用いて再構築され、レンダリングエンジンはBlinkに変更されました。この変更に伴い、WebKitを採用した旧バージョンのMidoriは公式サイトからのダウンロードが不可能となりました。

その後、2023年8月1日にAstianはMidoriのレンダリングエンジンをGeckoに変更することを発表しました。翌月の13日には新機能が発表され、Floorpをベースとした開発が進められていることが明らかになりました。同年9月19日にはLinux向けの評価版が公開され、10月28日には正式版11.0がリリースされました。特筆すべき点として、公式サイトではMidoriがFloorpをベースに開発されているという事実は一度も公表されていません。

Midoriの主な特徴

以前のバージョン（WebKit時代）のMidoriには、以下のような特徴がありました。

WebKitによる高速なレンダリング: WebKitエンジンを使用し、高速なページ表示を実現していました。
タブ、ウィンドウ、セッション管理: 複数のタブやウィンドウ、セッションを効率的に管理する機能が搭載されていました。
Netscapeエクステンションのサポート: Netscapeのエクステンションに対応していました。
柔軟なウェブ検索設定: ユーザーが自由にウェブ検索エンジンを設定できました。
ユーザースクリプトおよびユーザースタイルシート: ユーザーがスクリプトやスタイルシートをカスタマイズできました。
直接的なブックマーク管理: ブックマークを簡単に管理できる機能がありました。
カスタマイズおよび拡張可能なインターフェース: インターフェースをユーザーの好みに合わせてカスタマイズできました。
C[[言語]]による拡張モジュールの作成が可能: C[[言語]]を用いて拡張モジュールを作成でき、LuaやPythonも将来的なサポートが予定されていました。
国際化ドメイン名サポート: 国際化ドメイン名をサポートしていました。
マウスジェスチャーエクステンション: マウスジェスチャーによる操作が可能でした。
Maemoサポート: Maemoデバイスをサポートしていました。
スピードダイアル: 頻繁にアクセスするサイトを素早く開くことができるスピードダイアル機能が搭載されていました。
フィードリーダー: RSSフィードなどを購読できるフィードリーダーが内蔵されていました。
広告ブロッカー: ウェブサイト上の広告をブロックする機能がありました。
慣性スクロール: 慣性スクロールによるスムーズなスクロールが可能でした。

現在のMidori（Gecko採用後）では、これらの特徴がどのように引き継がれているか、あるいは変化しているかは、公式情報やリリースノートなどを参照する必要があります。

関連情報

Midoriは、AroraというQtWebKitを採用した軽量ウェブブラウザや、その他の様々なウェブブラウザと比較されることがあります。これらの比較を通じて、それぞれのブラウザの特徴や強みを理解することができます。詳細については、ウェブブラウザの一覧などを参照すると良いでしょう。

外部リンク

Astian, Inc - Midori

もう一度検索