Mk 84 (爆弾)

Mk.84（Mark 84）について

Mk.84、あるいはBLU-117は、アメリカ合衆国が開発した無誘導爆弾の一つであり、重量は2,000ポンド（約907.2kg）に設定されています。これはMk.80シリーズに属し、系列の中でも特に広範に用いられています。

概要と実績

この爆弾は主にベトナム戦争の時代に配備されました。その特徴は、Mk.80シリーズの中で最も多くの高性能爆薬を搭載していることから、多くの無誘導爆弾の中で本爆弾が最初に選ばれることが多いです。 さらに、BLU-82 デイジーカッターなど、より重い爆弾も存在しますが、従来の作戦で広く使用されるのは依然としてMk.84です。

湾岸戦争の際、F-117 ナイトホークの搭乗者たちはMk.84の威力を称賛し、この爆弾を「ハンマー」と呼びました。この爆弾は、特別に設計されたGBU-27 ペイブウェイIIIキットを装着された形で使用されました。 1981年のイラク原子炉爆撃事件では、イスラエル空軍がF-16戦闘爆撃機を用いて本爆弾の16発を投下し、ほとんどすべてが建設中の原子炉に命中しました。

開発と性能

Mk.84の公式な重量は907.2kgですが、実際の重量は設計によって若干異なり894.5kgから944.8kgまでの範囲で変化します。流線型の鋼製の弾体には、約428.6kgのトリトナール高性能爆薬が詰められており、爆薬の内容は全体の約45-50%を占めています。

この爆弾は幅15.2m、深さ11.0mに至るクレーターを作成できる能力を有しており、投下する高度によっては、381mmの金属板や3.4mのコンクリートを貫通することができます。その破壊力は非常に高く、致死的な破片を放出し、影響半径は365.8mに達します。

さらに、精密誘導用の改造が施された多数のMk.84が存在し、これによりGBU-10/GBU-24/GBU-27のようなレーザー誘導爆弾や、GBU-31 JDAMといった現代の誘導兵器の弾頭として利用されています。

安全評価と導入

アメリカ海軍では、Mk.84の運用に関する安全性の課題がクローズアップされ、兵器システム爆発物安全評価委員会（WSESRB）が設立されました。この機関の試験によると、Mk.84のコックオフにかかる時間は約8分40秒であるとの結果が出ています。

さらに、2016年3月には航空自衛隊によるMk.84の調達が決定され、国際的な安全保障においてもその利用が期待されています。これにより、日本でもこの重要な兵器の導入が進められることになり、ますます多様な用途が期待されています。

参考文献と関連項目

Mk.84に関連するその他の情報としては、JDAMやBLU-109、BLU-116、Mk.81、Mk.82、Mk.83などの他の爆弾システムがあります。

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