Mr.Children 1996-2000

Mr.Children 1996-2000：2000年代への架け橋となったベスト盤

2001年7月11日、日本の国民的ロックバンドMr.Childrenのベストアルバム『Mr.Children 1996-2000』が、前作『Mr.Children 1992-1995』と同時発売されました。前作が通称「肉」と呼ばれるのに対し、本作は「骨」という対照的なイメージで、ジャケットデザインにもそのコンセプトが反映されています。白骨化したサイのイラストは、前作のジャケットと共通しながらも、異なる印象を与えます。

この2枚のベストアルバムは、テレビCMでも話題を呼びました。Mr.Childrenの楽曲のミュージックビデオを使用したバージョンに加え、白木みのるさんが5人目のメンバーとして出演するユニークなバージョンも制作され、話題となりました。アートディレクションは、音楽シーンに多大な影響を与えた信藤三雄氏が担当しています。

収録楽曲は、1996年から2000年までのシングル・アルバムから選曲されています。基本的にはリリース順に並べられていますが、『終わりなき旅』と『光の射す方へ』、『つよがり』と『口笛』は制作時期を優先して順番が変更されています。これは、単なるベスト盤ではなく、Mr.Childrenの音楽的進化を丁寧に提示する意図が読み取れます。ただし、シングルカットされた『I'LL BE』と『マシンガンをぶっ放せ -Mr.Children Bootleg-』は収録されていません。これらの楽曲が当時の他のシングルに比べて売り上げが伸び悩んだことが、選曲に影響を与えた可能性も考えられます。

音源は全てリマスタリングされ、当時のサウンドを鮮やかに蘇らせています。2017年9月時点でのTSUTAYAレンタル回数では、ベスト盤として歴代7位を記録するなど、その後も高い人気を誇っていることがわかります。台湾版には、ボーナストラックとして『奇跡の地球』が追加収録されています。

驚異的なチャート成績とその後

『Mr.Children 1996-2000』は、発売初週に100.4万枚という驚異的な売り上げを記録し、累計売上は182.5万枚に達しました。この記録は、前作『Mr.Children 1992-1995』と共にオリコン週間アルバムチャートで1位と2位を独占するという快挙を生み出し、2作合わせた初動売上は200万枚を超えました。同一アーティストによる初登場での2作同時100万枚突破は、L'Arc～en～Cielの『ark』『ray』以来2度目の快挙となりました。

発売から約11年後の2012年には、新たなベストアルバム『Mr.Children 2001-2005 ＜micro＞』『Mr.Children 2005-2010 ＜macro＞』がオリコンチャートで1位、2位を独占しました。この時、本作『Mr.Children 1996-2000』は、前週59位から急上昇し12位までランクインするなど、その人気は長く続いていることが証明されました。

収録内容と楽曲解説

このアルバムには、Mr.Childrenの代表曲が多数収録されています。各楽曲は、バンドの成熟度を示す重要な指標となるだけでなく、日本の音楽史に名を刻んだ名曲の数々です。例えば、10thシングル「名もなき詩」、11thシングル「花 -Mémento-Mori-」、13thシングル「Everything (It's you)」など、どれもが当時の若者たちの心を掴んだ、時代を彩った名曲です。

また、アルバム収録曲である「Mirror」「ALIVE」「ラララ」「つよがり」「Hallelujah」なども、シングル曲に劣らず高い人気を誇り、Mr.Childrenの幅広い音楽性を示す上で重要な楽曲です。特に「Hallelujah」は、宗教的な雰囲気と壮大なスケール感で聴く者を圧倒する名曲として知られています。

演奏メンバー

演奏メンバーはMr.Childrenのメンバーに加え、数多くの著名なミュージシャンが参加しています。小林武史氏によるキーボード演奏、そしてストリングス、コーラスなど、楽曲に深みと彩りを加える多彩な演奏陣が、このアルバムのクオリティの高さを支えています。

この『Mr.Children 1996-2000』は、単なるベストアルバムとしてだけでなく、Mr.Childrenの軌跡を辿る重要な作品として、日本の音楽史に名を刻む作品と言えるでしょう。

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