Mr.Children Concert Tour Q 2000-2001

Mr.Children Concert Tour Q 2000～2001：2001年2月4日 さいたまスーパーアリーナ公演の記録

Mr.Childrenの6作目の映像作品『Mr.Children Concert Tour Q 2000～2001』は、バンドの代表的なライブツアー『Mr.Children Concert Tour Q』を収録したDVDおよびVHS作品として、2001年8月22日にリリースされました。この作品は、BIGLOBE提供による初のインターネット生中継が行われた、2001年2月4日さいたまスーパーアリーナ公演の模様を余すことなくとらえています。

このライブ映像作品は、後に行われたライブツアー『Mr.Children CONCERT TOUR POPSAURUS 2001』のCMにも使用され、「名もなき詩」と「抱きしめたい」の2バージョンが制作されました。アルバム『Q』に収録されている楽曲を中心に構成されていますが、「安らげる場所」のみ演奏されていません。

ステージ演出は前ツアーに引き続きシンプルな構成となっており、洗練された空間でMr.Childrenの音楽が際立ちます。映像監督は丹修一氏、アートディレクターは信藤三雄氏（C.T.P.P.）が担当し、高い芸術性と音楽性を両立した作品に仕上がっています。

演奏は、桜井和寿（Vocal & Guitar）、田原健一（Guitar）、中川敬輔（Bass）、鈴木英哉（Drums）によるMr.Childrenの4名に加え、浦清英（Keyboard & Saxophone）、河口修二（Guitar & Chorus）、SUNNY（Keyboards & Chorus）といったサポートメンバーも参加。彼らの卓越した演奏技術と、息の合ったパフォーマンスは、観客を魅了する要素の一つとなっています。

収録内容を具体的に見ていきましょう。まず、オープニングは後続曲である「その向こうへ行こう」をモチーフに構成。続く「その向こうへ行こう」は、1番ではギターとキーボード中心のシンプルなアレンジで、2番からバンドサウンドへと移行する構成が特徴的です。このツアー以降、ライブではこの曲の最後の歌詞「終わりなき旅」が3回繰り返されるようになりました。また、テンポもやや遅めに演奏されています。

その後、「光の射す方へ」「ニシエヒガシエ」と続き、代表曲「終わりなき旅」では、独特の空気感とメッセージが丁寧に表現されています。「Heavenly kiss」「クラスメイト」と立て続けに演奏され、続く「ロードムービー」「抱きしめたい」では、浦清英氏による間奏のサックスソロが聴く者の心を掴みます。「Surrender」では、中川敬輔氏と鈴木英哉氏の演奏は割愛されています。

中盤では「つよがり」「十二月のセントラルパークブルース」「スロースターター」「everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-」と、テンポやアレンジに変化を持たせながら演奏されています。「十二月のセントラルパークブルース」はキーを全音下げ、「スロースターター」はアウトロがアレンジされています。

そしてクライマックスへ。「名もなき詩」と立て続けに演奏される「CENTER OF UNIVERSE」では、最後の歌詞が「僕こそが中心です」から「君こそが中心です」に変更されており、このアレンジは後のライブでも踏襲されることとなりました。「NOT FOUND」「Everything is made from a dream」「Hallelujah」と続き、特に「Everything is made from a dream」では、間奏にテレビアニメ『鉄腕アトム』の映像と、清水マリ氏による朗読が挿入されるなど、視覚的な演出も盛り込まれています。「Hallelujah」もキーを半音下げて演奏されています。

アンコールでは「友とコーヒーと嘘と胃袋」「口笛」が演奏され、「友とコーヒーと嘘と胃袋」では観客とのコール＆レスポンスやメンバー紹介、アレンジされたアウトロなど、会場の一体感を高める演出が見られます。「口笛」演奏後には、メンバー全員が前に出て挨拶するという、温かいエンディングで締めくくられています。

この作品は、Mr.Childrenの音楽性とパフォーマンスの高さを余すことなく伝える、まさに“歴史的記録”と言えるでしょう。彼らの音楽を深く理解するためにも、そして、ライブの感動を再び味わうためにも、ぜひ一度鑑賞することをおすすめします。

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