N506i

NEC N506i：回転2軸液晶と高画質表示が魅力のmova端末

2004年夏にNECから発売されたN506iは、NTTドコモの第二世代携帯電話サービスmovaに対応した端末です。それまでのNEC製mova端末のデザインを一新し、回転2軸式を採用したことで大きな話題となりました。

大きなデザイン変更と新機能

N506i以前のNEC製mova端末、特にN501iからN505iSシリーズは、共通のデザインコンセプトを持っていました。しかし、N506iでは、このデザインを大きく変更。最大の変更点は、携帯電話の液晶部分を回転させることができるようになった点です。これは「リバーススタイル」と呼ばれ、端末を横向きに構えることで、デジタルカメラのように手軽に撮影できる機能を提供しました。

さらに、アンテナの位置も変更されています。従来のNEC製mova端末では本体側面などに配置されることが多かったアンテナですが、N506iではN211iやN211iSと同様に、本体のヒンジ部分に内蔵されました。デザインの統一感と、携帯性を高める工夫が見られます。

表示性能についても向上しています。メインディスプレイには、当時としては高精細なQVGA+液晶を採用。縦方向のドット数が同時期の他社製品と比べて多く、より多くの情報を表示できるようになっています。回転2軸式になったことに伴い、従来機種に搭載されていたサブディスプレイは廃止されています。

マーケティングとCM

N506iの発売にあたり、NECはマーケティングにも力を入れています。CMキャラクターには、人気歌手の平原綾香を起用。彼女の楽曲『虹の予感』がタイアップ曲として使用されました。これは、それまでのN505iSで起用されていた女子十二楽坊とは異なる戦略であり、より幅広い層への訴求を目指したと考えられます。

開発からサービス終了まで

N506iは、2004年3月31日にTELEC（技術基準適合証明）、4月12日にJATE（電気通信端末機器審査協会）の認証を取得。その後、4月27日に開発が発表され、6月26日に販売が開始されました。そして、movaサービスが終了した2012年3月31日をもって、N506iの使用も不可能となりました。

N506iの技術的特徴と歴史的意義

N506iは、単なる携帯電話のモデルチェンジを超えた意義を持っています。当時、携帯電話市場ではFOMAなどの第三世代携帯電話への移行が加速していました。そんな中で、mova端末として発売されたN506iは、新たなデザインと機能で、movaサービスの終焉まで多くの人々に利用され続けました。回転2軸式による使い勝手の向上や高精細な液晶ディスプレイは、当時のユーザーにとって魅力的なものであったと言えます。また、平原綾香を起用したCM戦略も、N506iの知名度向上に大きく貢献したと考えられます。N506iは、mova時代の終焉を象徴する端末として、日本の携帯電話の歴史に名を刻む機種と言えるでしょう。

関連機種

N505iS
N506iS

外部リンク

* ケータイ新製品SHOW CASE NTTドコモ N506i

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