N211i

NEC製mova端末 N211i/N211iS

この文書では、NECが製造し、NTTドコモが販売したmovaサービス対応携帯電話、N211iおよびその改良機種であるN211iSについて詳細に解説します。

N211iの概要

N211iは、同社の前機種であるN210iの後継機種として登場しました。N211iの特徴として特筆すべきは、松下通信工業や三洋電機などの機種で採用されていた中ヒンジアンテナの採用です。NEC製のmova端末では、N211iとN506iの2機種のみが中ヒンジアンテナを採用していました。これは、携帯電話の形状やアンテナ性能に大きな影響を与える技術的特徴でした。さらに、N211iは当時最新の技術として注目を集めていた1.5GHz帯の通信にも対応していました。これは、シティオと呼ばれる同社のPHS端末と同じ周波数帯であり、より高速なデータ通信を可能にしていました。また、ユーザーインターフェースの向上も図られており、4種類のフォントを搭載していました。これにより、ユーザーは好みに合わせて文字の表示形式を選択することができました。

N211iSの概要

N211iSは、N211iの改良機種として登場しました。P211iSと同様に、迷惑電話対策として重要な「ワン切り」に対応する機能が追加されました。具体的には、不在着信があった場合、その通話時間の長さを秒単位で表示する機能が搭載されました。この機能により、ユーザーは短い着信時間によるいたずら電話などを容易に判別することが可能になり、利便性が向上しました。

開発と販売の歴史

N211iは、開発段階から販売開始まで、いくつかの重要な過程を経てきました。まず、2001年1月10日には電気通信端末機器審査協会（JATE）による技術基準適合認定の設計認証を取得しています。その後、同年9月3日にはテレコムエンジニアリングセンター（TELEC）による技術基準適合証明の工事設計認証を取得し、2001年12月7日に正式に発表、同年12月12日に発売開始されました。

改良機種であるN211iSは、2003年3月31日にP211iSとともに発表され、2003年4月4日に発売されました。この際に、改めてTELECとJATEによる認証を取得しています（2003年2月）。

これらの機種は、2012年3月31日にNTTドコモのmovaサービスが終了したことにより、使用できなくなりました。

関連機種

N211i/N211iSと関連性の高い機種としては、以下の機種が挙げられます。

N209i
N210i
N251i
N503iS

これらの機種は、N211i/N211iSと同様に、NECが製造したNTTドコモのmova端末です。機種間でデザインや機能に違いはありますが、movaサービスという共通のプラットフォーム上で動作していた機種です。

まとめ

N211iとN211iSは、NECが製造したmova端末として、中ヒンジアンテナの採用や1.5GHz通信対応など、当時の携帯電話技術の進歩を反映した機種でした。また、改良機種であるN211iSでは、ワン切り対策機能の追加などにより、ユーザーの利便性が向上しています。これらの機種は、movaサービス終了と共に歴史の幕を閉じましたが、日本の携帯電話の歴史において重要な役割を果たした機種と言えるでしょう。

もう一度検索