N702iD

FOMA N702iD：洗練されたデザインと先進機能を両立したFOMA端末

2006年2月24日にNTTドコモから発売されたFOMA N702iDは、NECが製造し、著名デザイナー佐藤可士和氏がデザインを手掛けた携帯電話です。N701iをベースに、佐藤可士和氏のデザイン哲学が反映された、スタイリッシュで個性的な端末として注目を集めました。

デザインとインターフェース

N702iD最大の特徴は、その洗練されたデザインです。佐藤可士和氏は、全体をシャープな直線で構成することで、シンプルながらも高級感あふれるフォルムを実現しました。カラーバリエーションは、レッド、ホワイト、シルバー、ブラックの4色展開。レッドとホワイトは光沢のある仕上げ、シルバーとブラックはマットな仕上げが施され、異なる質感を楽しむことができました。

本体前面には、2.3インチQVGA+モバイルシャインビュー液晶を搭載。鮮明な表示で快適な操作性を実現しています。レシーバ横には、11万画素CMOSカメラを備え、テレビ電話にも対応しました。

背面には、有機ELを採用したサブディスプレイ「イルミネーション・ウインドウ」を搭載。緑色の文字が浮かび上がる、独特の演出が魅力でした。iチャネルに対応し、横に流れるメッセージは電光掲示板のような印象を与え、視覚的な楽しさを提供しました。サブディスプレイ横には、QRコードリーダーとしても使用できるLEDライトを搭載。着信時には鮮やかに点滅し、イルミネーション機能も兼ねていました。

さらに、赤外線通信ポートも搭載し、さまざまな機器との連携も可能でした。ただし、レスポンス性能については、改善の余地がありました。NEC独自のポインティングデバイスであるニューロポインターは、搭載されませんでした。

デザインへのこだわり

佐藤可士和氏のデザインへのこだわりは、本体デザインにとどまりません。充電スタンド（クレードル）や、製品パンフレットのデザインも、同氏が手がけました。また、N702iDのボタンや画面表示などに使用されている独自のフォント「SAMURAI702」も、佐藤可士和氏によるものです。デザインの統一感と、細部へのこだわりが感じられる端末でした。

開発と発売

N702iDは、2005年11月30日にJATE（電気通信端末機器審査協会）の審査を通過し、12月5日にはTELEC（技術基準適合証明）の審査も通過しました。そして、2006年1月17日に、F702iD、N702iD、SH702iD、D702i、P702iの開発が発表され、2月24日に発売されました。

まとめ

N702iDは、スタイリッシュなデザインと、個性的なサブディスプレイなど、多くの魅力を持つFOMA端末でした。レスポンス性能などの課題もありましたが、佐藤可士和氏によるデザインのこだわりは、多くのユーザーを魅了しました。この端末は、携帯電話のデザインにおける、デザイナーとのコラボレーションの可能性を示した、重要な製品と言えるでしょう。 当時としては革新的で、多くのユーザーに支持された端末の一つでした。そのデザイン性と機能性は、現在でも高い評価を受けています。

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