N821i

Super Doccimo N821i：2000年代の革新的モバイル端末

2000年、NECからNTTドコモのmovaサービスとPHSサービスに対応した革新的な端末「Super Doccimo N821i」が登場しました。これはNECが製造した、携帯電話とPHSの機能を1台に統合した「スーパードッチーモ」シリーズの機種で、同シリーズでは2番目に発売されました。当時としては画期的な端末であり、多くのユーザーから注目を集めました。

N821iの特徴：大画面iモードと親しみやすいデザイン

N821iは、大画面で快適なiモード閲覧を可能にしたことが大きな特徴でした。デザインは、同時期に大ヒットしたN502iをベースにしており、使いやすさと親しみやすさを両立した設計となっています。機能面でもN502iとの共通点が多く、ユーザーは違和感なく利用できたでしょう。着信メロディはFM音源4和音に対応し、当時としては十分なクオリティを誇っていました。携帯電話とPHSの両方の機能を備えているため、様々なシーンで活躍できる利便性の高さが魅力でした。

開発からサービス終了まで：N821iの歴史

N821iは、開発からサービス終了までの間、幾多の過程を経てきました。

2000年4月6日: TELECによる技術基準適合証明取得
2000年4月13日: TELECによる工事設計認証取得
2000年4月28日: 電気通信端末機器審査協会による設計認証取得
2000年7月10日: NTTドコモより正式発表
2000年7月14日: 販売開始
2008年1月7日: PHSサービス終了。以降はmovaサービスのみ利用可能に
* 2012年3月31日: movaサービス終了に伴い、N821iの利用も終了

長い期間に渡り、多くのユーザーに利用されたN821iですが、時代の流れとともにサービスが終了し、歴史の幕を閉じました。

P821iとの関係性：共通のUIデザイン

松下通信工業（現パナソニックモバイルコミュニケーションズ）が製造したP821iは、N821iと同様のUIデザインを採用していました。両機種のユーザーインターフェースに共通点があることは、当時のモバイル端末開発における技術的な潮流を示唆しています。異なるメーカーが類似のデザインを採用した背景には、使いやすさや効率性といったユーザー体験を重視した設計思想が反映されていると考えられます。

まとめ：N821iが切り開いたモバイル時代の足跡

Super Doccimo N821iは、携帯電話とPHSを1台で利用できるという革新的な機能と、親しみやすいデザインで多くのユーザーを魅了しました。iモードの普及にも貢献し、モバイル社会の進化に大きく寄与した機種と言えるでしょう。2012年のサービス終了は、一つの時代の終わりを象徴する出来事でしたが、N821iは日本の携帯電話の歴史に重要な足跡を残しました。その存在は、今後のモバイル技術の発展を考える上でも貴重な歴史的資料となるでしょう。

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