NANNO Singles

南野陽子の音楽キャリアにおいて重要な位置を占める『NANNO Singles』は、1988年3月21日にCBS・ソニーから発売された彼女の初のベストアルバムです。LP、カセットテープ、CDの3つのフォーマットでリリースされ、それぞれの規格品番は28AH-5021、28KH-5021、32DH-5021となっています。

このアルバムは、南野陽子のシングルコレクションとしての役割も担っており、彼女のメジャーデビュー曲である「恥ずかしすぎて」から、当時最新作だった11枚目のシングル「吐息でネット。」までの表題曲を網羅しています。リリース順に収録されているため、彼女の音楽的進化を時系列で追体験できる構成となっています。さらに、このアルバムのために書き下ろされた新曲「微笑みカプセル〜Don't worry my friend〜」が収録されており、ファンにとって特別な一枚となっています。

特に注目すべき点は、アルバム初収録となった楽曲の存在です。「風のマドリガル」「楽園のDoor」「パンドラの恋人」「秋のIndication」「はいからさんが通る」「吐息でネット。」の6曲が、この『NANNO Singles』で初めてアルバムに収録されました。これにより、それまでシングル盤でしか聴くことができなかったこれらの楽曲を、アルバムという形でまとめて楽しむことができるようになったのです。

CD版に関しては、初回プレス盤のみがピクチャーレーベル仕様という特別な仕様となっています。これは、当時としては非常に凝った仕様であり、コレクターアイテムとしての価値も高いと言えるでしょう。この限定仕様も、このアルバムの人気をさらに高める要因の一つとなりました。

『NANNO Singles』は、単なるシングルコレクションにとどまらず、南野陽子の音楽的成長と魅力を凝縮した作品です。デビュー曲から最新曲までを網羅した充実のトラックリスト、そして新曲の収録、さらにCD版の限定仕様と、ファンにとって多くの魅力が詰まった、まさに記念碑的な一枚と言えるでしょう。当時を知る世代はもちろんのこと、今の世代にもその魅力は十分に伝わる、タイムレスな作品です。

このアルバムは、南野陽子の音楽史において重要なマイルストーンとして、現在でも多くのファンに愛され続けています。その人気の高さは、時代を超えて受け継がれる彼女の音楽の魅力を物語っています。また、当時の音楽シーンを代表する作品の一つとして、音楽史的にも高い価値を持つと言えるでしょう。

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