No.

「No.」は、番号を示す数字の前に置かれる記号で、英語では「numero sign」と呼ばれます。日本語では「ナンバー（英語: number）」と読まれます。番号記号の「#」と意味はほぼ同じで、たとえば「No. 5」は5番を意味します。この記号は、番号を意味する語の省略形「no.」の最初の文字を大文字にし、記号化したものです。

語源と歴史

元々はラテン語で「数えると」という意味の「numero」（numerusの単数奪格）の最初と最後の文字を取って「no.」となりました。ロマンス語圏では、各国語で相当する語（スペイン語: número、ポルトガル語: número、フランス語: numéro、イタリア語: numeroなど）の略としても解釈されています。英語でも「number」の省略形は「no.」です。

表記のバリエーション

「No」の「o」を上部に書く（No）、oの下にアンダーバーを引く（No、No）、oの代わりに「°」を使用する（N°）など、様々な表記がありますが、意味は共通しています。

各言語での違い

スペイン語

スペイン語では、記号というよりも「número」（番号）という単語の省略形として扱われます。スペイン語で単語を省略する際は、末尾の何文字かを下線付きの上付き小文字で表記します（voladitasと呼びます）。したがって、「número」の省略形は単数形が「no」、複数形が「nos」となります。同様の省略形として、「Fco」は「Francisco」（人名）、「Ma」は「María」（人名）の省略形です。否定詞の「no」と紛らわしいため、「No.」という表記はあまり用いられません。

フランス語

フランス語では「numéro」（番号）という単語とほぼ対応しており、表記法は様々です（No.、no.、No、noなど）。複数形では「s」がつき「nos」などとなります。英語・イタリア語・スペイン語とは異なり、フランス語には「no」という単語がないため、混乱は生じにくいです。

ロシア語

キリル文字には「N」という字はないのですが、ロシア語では記号として「№」が使われています。この記号はコンピュータやタイプライターのキーボードにも存在します（数字の3と同じキー、JISキーボードでは#の位置）。ロシア語ではこの記号を「Знак номера」と呼びます。

その他のヨーロッパ言語

ドイツ語では「No.」の代わりに「Nr.」（独: Nummer の省略形）が使われるなど、この表記を使用しない言語も存在します。

コンピュータでの表現

Unicodeにはこの記号が文字様記号ブロックにU+2116として収録されています。コードチャートのグリフは「№」となっていますが、これは互換文字であり、互換性維持以外の目的での使用は推奨されていません。分解マッピングは「<compat> 004E 006F」（004E = N、006F = o）なので、「No」と（必要に応じてマークアップを施して）書くことが推奨されています。

キリル文字や東アジアの文字集合にはこの文字が含まれているものもあります。たとえば、JIS X 0208（JIS第1・第2水準）には含まれていませんが、JIS X 0213（JIS第3・第4水準）には含まれています。

8ビット文字集合では、「No」のほか、「N°」（2文字目が度記号）、「No.」（最後にピリオド）、「Nº」（2文字目が序数標識）などとも表記されることがあります。

符号位置

* Unicode: U+2116

脚注

番号記号についても参照してください。

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