Noto

Notoフォントファミリーについて

Noto（ノート）は、Googleによって開発されたオープンソースのフォントファミリーです。フォントファミリーとは、通常、同一書体の異なる太さ（ウェイト）のセットを指しますが、Notoの場合は、世界中の広範な言語を包括するという意味で用いられています。

概要

Notoフォントファミリーは、世界中の言語をサポートすることを目標に開発が始まりました。当初、Apache License 2.0のライセンスで配布されていましたが、2015年9月29日にSIL Open Font License 1.1に変更されました。

コンピューターで表示できない文字がある場合、文字の代わりに小さな四角（□）、いわゆる「豆腐」が表示されることがよくあります。Notoは、すべての言語に対応したフォントを開発することで、この「豆腐」が表示される状況をなくすことを目指し、「no tofu（豆腐がない）」という意味を込めて名付けられました。2016年10月6日には、Unicode標準で定義された800言語、11万字を超えるすべての文字に対応したことが、開発ブログで公表されました。

Noto Sans CJK

Notoフォントファミリーの中で、日本語、中国語（繁体字/簡体字）、韓国語を担うのがNoto Sans CJKです。Adobeとの共同開発によって、2014年7月16日に公開されました。ウェイトは7種類（Thin 100、Light 300、DemiLight 350、Regular 400、Medium 500、Bold 700、Black 900）が用意されています。

Noto Sans CJKは、他のNotoフォントファミリーやRobotoといったフォントと組み合わせて使うことを想定して設計されています。AdobeはSourceフォントファミリーという枠組みを持っており、このフォントは源ノ角ゴシックとしても公開されています。Noto Sans CJKと源ノ角ゴシックの違いは、フォント名と一部のウェイト表記のみで、それ以外はすべて同じです。そのため、Noto Sans CJKの従属欧文はSource Sansがベースになっており、フォント形式はPostScriptアウトラインによるOpenTypeです。

Noto Serif CJK

2017年4月4日、GoogleはNoto Sans CJKの仲間として、明朝体フォントであるNoto Serif CJKを公開しました。こちらもウェイトは7種類（ExtraLight, Light, Regular, Medium, SemiBold, Bold, Black）が用意されており、Noto Serifやその他のGoogle標準フォントとウェイトに互換性があるため、組み合わせて使うことができます。

Noto Serif CJKの開発もAdobeが中心となり、AdobeではSourceフォントファミリーの源ノ明朝として公開されています。こちらもNoto Sans CJKと同様に、フォント名と一部のウェイト表記が異なるだけで、それ以外は同一です。そのため、フォント内の従属欧文はSource Serifがベースであり、フォント形式もPostScriptアウトラインによるOpenTypeです。

Noto Sans Mono

プログラミングなどに適した等幅フォント（モノスペースフォント）として、Noto Sans Monoも公開されています。ラテン文字、キリル文字、ギリシャ文字、および様々なシンボルに対応しています。

まとめ

Notoフォントファミリーは、世界中の多様な言語に対応することを目指し、幅広い用途で利用できる高品質なフォントです。特に、日本語、中国語、韓国語に対応したCJK版やプログラミング向けの等幅フォントなど、さまざまなニーズに対応できるバリエーションが提供されています。

外部リンク

Google Noto Fonts
Noto Fonts
Google Fonts における Noto Sans JP
Google Fonts における Noto Serif JP

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