NSファーファ・ジャパン
NSファーファ・ジャパン株式会社は、東京都中央区に本社を構え、主に洗剤や石鹸といった日用品の製造・販売を手がけている企業です。現在の社名は、旧社名であるニッサン石鹸（Nissan Soap）の頭文字「NS」に、主力ブランドである「ファーファ」の名を組み合わせて名付けられました。
東京本社のほか、大阪に西日本サポートセンター、愛知県にR&Dセンター、そして兵庫県加東市と茨城県神栖市に工場を設けています。かつては旧日産コンツェルン系の日油株式会社のグループ会社の一つでしたが、現在は独立しています。
特筆すべきは、2006年12月にユニリーバが事業撤退を表明した柔軟剤「ファーファ」ブランドを譲り受けたことです。同社は現在も、マスコットキャラクターであるテディベア「スナッグル」のライセンス料を支払っています。
会社のルーツは、1937年（昭和12年）に創業したニッサン石鹸に遡ります。社名の「ニッサン」は、創業当初の日産コンツェルングループとの関連に由来しています。
洗剤事業においては、1968年（昭和43年）に国産初となる酵素配合洗剤「バリ」を発売したのを皮切りに、「ラブ」や柔軟剤「ソフター」のような手頃な価格帯の製品から、消臭成分配合の「デオテクト」、UV予防効果を持つ洗剤、作業着専用洗剤といった独自の付加価値を持ったニッチ市場向けの製品まで、幅広いラインナップを展開しました。大手メーカーとは異なる視点での商品開発が特徴でした。
洗剤以外にも、石鹸、ボディソープ、ハンドソープ、さらには洗口液などのオーラルケア製品も製造しており、他社の大手企業向けOEM製品や、スーパー・ホームセンターなどのプライベートブランド製品も多く手掛けていました。
1974年（昭和49年）11月には、法人として「ニッサン石鹸株式会社」が設立されます。
広告活動としては、1995年（平成7年）に俳優の児玉清氏をナレーターに起用したテレビCMが放送されました。このCMでは、当時の役員3名が出演し、その中の1人が発した「広告するのをころっと忘れてました」というセリフは、当時大きな話題となりました。CMでは「誠実一筋、清潔一筋」というコピーで会社の姿勢がアピールされていました。また、朝日放送制作のクイズ番組『パネルクイズ アタック25』の番組スポンサーを務めていた時期もあります。
創業の地は大阪でしたが、時代の流れとともに拠点を移していきます。2007年（平成19年）6月には本店を大阪市から東京都墨田区に移転。同年10月には大阪本社も東大阪市へ移転しました。そして、2008年（平成20年）1月には大阪本社工場を売却し、創業以来の地であった大阪市鶴見区横堤から完全に撤退しました。これは、工場周辺の住宅街化が進んだことが背景にあったとされています。ただし、製品に関する問い合わせを受け付けるお客様相談室は、引き続き大阪に置かれていました。
2011年（平成23年）9月1日、ニッサン石鹸株式会社は、主力ブランド名を冠する形で「NSファーファ・ジャパン株式会社」へ社名を変更しました。
2012年（平成24年）1月19日には、大手日用品メーカーであるエステー株式会社、フマキラー株式会社との間で、互いの経営資源やノウハウを活用するための資本業務提携を結ぶことに合意しました。
組織再編も進められ、2012年（平成24年）3月には東大阪市の大阪支社を売却。これにより、大阪支社にあった西日本営業部門は吹田市へ、研究開発部門は各工場へとそれぞれ移転しました。
社名変更後、そしてファーファブランドを譲り受けてから初のテレビCMは、2014年（平成26年）3月と5月に放送された「ファーファ・デオテクト」のCMでした。
デジタル時代への対応として、2015年（平成27年）には企業ホームページを刷新し、従来のキャラクター中心のポップなデザインから、より洗練されたスタイリッシュなデザインに変更しました。
また、消費者との連携を強化するため、SNSを活用した製品開発プロジェクトも開始しています。Facebookなどを通じて消費者の意見を収集し、製品開発に活かす「ファーファのものづくり部」と、オンラインショップで試作品を数量限定で販売し、購入者のフィードバックを受けて改良を行う「ファーファのけんきゅう部」がスタートしました。
22019年8月5日には、東京本社を現在の東京都中央区新川に移転しています。
同社は、柔軟剤「ファーファ」を中心とした幅広い家庭用製品に加え、業務用製品も製造・販売しています。
ファーファシリーズ: 柔軟剤、洗剤、ファブリックミストなど
WORKERSシリーズ: 作業着専用洗剤、液体洗剤、液体石鹸など
make a new habit! マウスウォッシュシリーズ: 洗口液
UVカット洗剤
おまかせドライ: ドライマーク衣料用液体洗剤
トレハリッシモシリーズ: 台所用洗剤、ハンドソープ
その他、多岐にわたる製品を展開
無りんクリーニング洗剤（衣料用）
セブンK（台所用合成洗剤）
多目的洗剤レインボー（マルチクリーナー）
その他
ニッサン化粧石鹸
徳用白大石鹸: 一時生産終了したが、顧客の声に応え復刻販売
強力パワーマルセル石鹸
ニッサンクリームクレンザー
ラブシリーズ
ソフター
デオテクト
潤い環
ナチュラルモコウォッシュシリーズ
トレハリッシモ
その他
ニッサン石鹸時代にはUVカット洗剤のCMや、役員が出演した自社CMなどを放送していました。現在は大規模な広告活動は控えられており、2014年に期間限定で「デオテクト」のテレビCMを放送したのが近年の主な例です。なお、2000年代末期まで放送されていた「ファーファ」のテレビCMは、同社がブランドを譲り受ける前のユニリーバによるものです。
昭和30年代を舞台にした映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズでは、劇中の荒物屋の店先にニッサン石鹸の幟が登場しています。
他社キャラクターとのコラボレーション企画も実施しており、過去には三洋電機の「エネルーピー」やJR西日本の「イコちゃん」と共に、節電や冬のイベントをテーマにしたキャンペーンを展開しました。
* 柔軟剤「ファーファトリップ」のキャンペーンでは、ソムリエの田崎真也氏を招いた香りを楽しむイベントや、踊り手のめろちん氏、桃箱氏といった動画投稿者と連携したプロモーションも行っています。
ニッサン石鹸からNSファーファ・ジャパンへと社名を変え、時代の変化や消費者のニーズに応えながら、洗剤・石鹸業界で独自の地位を築いています。
会社概要
東京本社のほか、大阪に西日本サポートセンター、愛知県にR&Dセンター、そして兵庫県加東市と茨城県神栖市に工場を設けています。かつては旧日産コンツェルン系の日油株式会社のグループ会社の一つでしたが、現在は独立しています。
特筆すべきは、2006年12月にユニリーバが事業撤退を表明した柔軟剤「ファーファ」ブランドを譲り受けたことです。同社は現在も、マスコットキャラクターであるテディベア「スナッグル」のライセンス料を支払っています。
沿革
ニッサン石鹸時代
会社のルーツは、1937年（昭和12年）に創業したニッサン石鹸に遡ります。社名の「ニッサン」は、創業当初の日産コンツェルングループとの関連に由来しています。
洗剤事業においては、1968年（昭和43年）に国産初となる酵素配合洗剤「バリ」を発売したのを皮切りに、「ラブ」や柔軟剤「ソフター」のような手頃な価格帯の製品から、消臭成分配合の「デオテクト」、UV予防効果を持つ洗剤、作業着専用洗剤といった独自の付加価値を持ったニッチ市場向けの製品まで、幅広いラインナップを展開しました。大手メーカーとは異なる視点での商品開発が特徴でした。
洗剤以外にも、石鹸、ボディソープ、ハンドソープ、さらには洗口液などのオーラルケア製品も製造しており、他社の大手企業向けOEM製品や、スーパー・ホームセンターなどのプライベートブランド製品も多く手掛けていました。
1974年（昭和49年）11月には、法人として「ニッサン石鹸株式会社」が設立されます。
広告活動としては、1995年（平成7年）に俳優の児玉清氏をナレーターに起用したテレビCMが放送されました。このCMでは、当時の役員3名が出演し、その中の1人が発した「広告するのをころっと忘れてました」というセリフは、当時大きな話題となりました。CMでは「誠実一筋、清潔一筋」というコピーで会社の姿勢がアピールされていました。また、朝日放送制作のクイズ番組『パネルクイズ アタック25』の番組スポンサーを務めていた時期もあります。
創業の地は大阪でしたが、時代の流れとともに拠点を移していきます。2007年（平成19年）6月には本店を大阪市から東京都墨田区に移転。同年10月には大阪本社も東大阪市へ移転しました。そして、2008年（平成20年）1月には大阪本社工場を売却し、創業以来の地であった大阪市鶴見区横堤から完全に撤退しました。これは、工場周辺の住宅街化が進んだことが背景にあったとされています。ただし、製品に関する問い合わせを受け付けるお客様相談室は、引き続き大阪に置かれていました。
NSファーファ・ジャパン時代
2011年（平成23年）9月1日、ニッサン石鹸株式会社は、主力ブランド名を冠する形で「NSファーファ・ジャパン株式会社」へ社名を変更しました。
2012年（平成24年）1月19日には、大手日用品メーカーであるエステー株式会社、フマキラー株式会社との間で、互いの経営資源やノウハウを活用するための資本業務提携を結ぶことに合意しました。
組織再編も進められ、2012年（平成24年）3月には東大阪市の大阪支社を売却。これにより、大阪支社にあった西日本営業部門は吹田市へ、研究開発部門は各工場へとそれぞれ移転しました。
社名変更後、そしてファーファブランドを譲り受けてから初のテレビCMは、2014年（平成26年）3月と5月に放送された「ファーファ・デオテクト」のCMでした。
デジタル時代への対応として、2015年（平成27年）には企業ホームページを刷新し、従来のキャラクター中心のポップなデザインから、より洗練されたスタイリッシュなデザインに変更しました。
また、消費者との連携を強化するため、SNSを活用した製品開発プロジェクトも開始しています。Facebookなどを通じて消費者の意見を収集し、製品開発に活かす「ファーファのものづくり部」と、オンラインショップで試作品を数量限定で販売し、購入者のフィードバックを受けて改良を行う「ファーファのけんきゅう部」がスタートしました。
22019年8月5日には、東京本社を現在の東京都中央区新川に移転しています。
主な製品
同社は、柔軟剤「ファーファ」を中心とした幅広い家庭用製品に加え、業務用製品も製造・販売しています。
現在発売されている主な製品
ファーファシリーズ: 柔軟剤、洗剤、ファブリックミストなど
WORKERSシリーズ: 作業着専用洗剤、液体洗剤、液体石鹸など
make a new habit! マウスウォッシュシリーズ: 洗口液
UVカット洗剤
おまかせドライ: ドライマーク衣料用液体洗剤
トレハリッシモシリーズ: 台所用洗剤、ハンドソープ
その他、多岐にわたる製品を展開
業務用製品
無りんクリーニング洗剤（衣料用）
セブンK（台所用合成洗剤）
多目的洗剤レインボー（マルチクリーナー）
その他
ニッサン石鹸時代の代表的な製品
ニッサン化粧石鹸
徳用白大石鹸: 一時生産終了したが、顧客の声に応え復刻販売
強力パワーマルセル石鹸
ニッサンクリームクレンザー
ラブシリーズ
ソフター
デオテクト
潤い環
ナチュラルモコウォッシュシリーズ
トレハリッシモ
その他
広告活動
ニッサン石鹸時代にはUVカット洗剤のCMや、役員が出演した自社CMなどを放送していました。現在は大規模な広告活動は控えられており、2014年に期間限定で「デオテクト」のテレビCMを放送したのが近年の主な例です。なお、2000年代末期まで放送されていた「ファーファ」のテレビCMは、同社がブランドを譲り受ける前のユニリーバによるものです。
その他の取り組み
昭和30年代を舞台にした映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズでは、劇中の荒物屋の店先にニッサン石鹸の幟が登場しています。
他社キャラクターとのコラボレーション企画も実施しており、過去には三洋電機の「エネルーピー」やJR西日本の「イコちゃん」と共に、節電や冬のイベントをテーマにしたキャンペーンを展開しました。
* 柔軟剤「ファーファトリップ」のキャンペーンでは、ソムリエの田崎真也氏を招いた香りを楽しむイベントや、踊り手のめろちん氏、桃箱氏といった動画投稿者と連携したプロモーションも行っています。
ニッサン石鹸からNSファーファ・ジャパンへと社名を変え、時代の変化や消費者のニーズに応えながら、洗剤・石鹸業界で独自の地位を築いています。
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