NWA女子パシフィック王座&NEO認定シングル王座

NWAパシフィック女子&NEO認定シングル王座

NWAパシフィック女子&NEO認定シングル王座（エヌ・ダブリュー・エー・パシフィックじょしアンド・ネオにんていシングルおうざ）は、プロレス団体NEO女子プロレスが主体となって管理し、全米レスリング同盟（NWA）とNEO女子プロレスの両団体から公式に認定を受けていたシングルチャンピオンシップである。

この王座の成り立ちは、2000年にNWAが新たに設けたNWAパシフィック女子王座と、NEO女子プロレスが同時期に独自に創設したNEO認定シングル王座に遡る。同年8月24日、アメリカ・ワイルドウッドで開催されたNWAの大会において、これらの初代王座を決定するトーナメント決勝戦が行われ、田村欣子が勝利を収めて記念すべき初代王者となった。この決定以降、NWAパシフィック女子王座とNEO認定シングル王座は常に同一の選手によって保持されることとなり、防衛戦は二つのタイトルマッチとして同時に行われる形式が定着した。

初代王者の田村欣子は、長期にわたりこの王座のトップに君臨し、NEO女子プロレスのエースとして団体を牽引した。その在位中には、他団体の主要タイトルとの間で注目すべき統一戦も何度か組まれている。特に、JWP女子プロレスの最高峰タイトルであるJWP認定無差別級王座との統一戦は大きな話題となった。2006年12月24日、JWP後楽園ホール大会では、当時のJWP認定無差別級王者であった日向あずみとの間でタイトルマッチが実現したが、この一戦は引き分けに終わり、王座の移動や統合には至らなかった。さらに2010年12月23日にも、再びJWP後楽園大会にて、新たなJWP認定無差別級王者となった米山香織との統一戦が行われたが、これも前回と同様に引き分けという結果に終わっている。

しかし、NEO女子プロレスは2010年末をもって約10年間の活動に幕を閉じ、団体を解散することとなった。同年12月31日、NEOは後楽園ホールで最終興行を開催。この歴史的な幕引きの舞台で、長期政権を築いてきた田村欣子は自身の持つNWAパシフィック女子&NEO認定シングル王座の防衛戦に臨み、フリーとして参戦していた栗原あゆみを挑戦者に迎えた。壮絶な戦いの末、栗原あゆみが田村から勝利を収め、NEOの最後の興行でベルトは団体外へと流出した。

この王座移動は、同時に王座の管理体制に大きな問題を投げかけた。NEO女子プロレスという管理団体が消滅したことで、王座の今後の取り扱いに関する権利が宙に浮いた状態となったのである。前王者の田村は試合後、「チャンピオン（栗原）に任せる」とコメントし、新王者となった栗原も「（王座の）防衛戦は行いたい」と継続の意向を示唆しており、王座存続の可能性も示されていた。

その後、2011年5月に入り、王者の栗原あゆみと、元NEO女子プロレス代表であった甲田哲也氏、そしてかつてNEOに関わっていた関係者らが集まり、この王座の今後について協議が持たれた。しかし、この時期に栗原がメキシコのプロレス団体CMLLの世界女子王座挑戦権を獲得するなど、海外での活動に軸足が移りつつあった状況も影響したとされる。最終的に、栗原は同年5月25日、元代表の甲田氏にチャンピオンベルトを返還する決断を下した。これにより、NWAパシフィック女子&NEO認定シングル王座は事実上封印されることとなり、その歴史に一旦幕が下ろされた。

もう一度検索