Netscape Navigator 9

Netscape Navigator 9について

Netscape Navigator 9は、Mercurial Communicationsが開発し、AOLがリリースしたNetscapeシリーズのウェブブラウザの最終バージョンです。2007年1月に開発が発表され、同年10月に正式版が公開されました。

主な特徴

Netscape Navigatorの名称復活: バージョン8では使用されなかった「Netscape Navigator」の名称が復活しました。
Firefoxとの連携強化: Mozilla Firefox 2.0.0.xの拡張機能が利用可能となり、ブラウザの機能拡張性が向上しました。
マルチプラットフォーム対応: 従来のWindows環境に加え、Mac OS XやLinux環境にも対応し、より幅広いユーザーが利用できるようになりました。
新機能の追加:
リンクパッド: 一時的なブックマークとして利用できる「リンクパッド」機能が追加され、ウェブページの情報を一時的に保存できるようになりました。
ミニブラウザ: ウェブページをサイドバーに表示できる「ミニブラウザ」機能が追加され、複数のウェブページを同時に閲覧しやすくなりました。

バージョン8からの変更点

バージョン8で存在したセキュリティセンターや、IEエンジン切り替え機能、サイト別セキュリティ設定機能は廃止されました。ただし、IE Tabなどの拡張機能を利用することで、同様の機能を追加することが可能です。

日本語対応

Netscape Navigator 9は英語版のみの提供でしたが、有志によって日本語化パックが作成・公開されていました。

Netstripeテーマ

Netscapeが開発した、FirefoxのデザインをNetscape 9風に変更できるテーマ「Netstripe」が配布されていましたが、Netscapeの開発終了に伴い公開が終了しました。その後、Netscapeのテーマ開発者によって、FirefoxとThunderbirdでMessenger 9風のデザインにできる「Simple Green」テーマが公開されました。

バージョンの変遷

Netscape Navigator 9は、以下の様な変遷をたどりました。

2007年1月23日: バージョン9の開発情報が開発元のブログで公開
2007年6月5日: Beta1 公開
2007年7月12日: Beta2 公開
2007年8月15日: Beta3 公開
2007年10月1日: ReleaseCandidate1 公開。Netscape.comとの連動機能はサイト構成の変更により廃止。
2007年10月15日: 9.0正式版公開
2007年10月22日: 9.0.0.1公開。Firefox 2.0.0.8相当の脆弱性修正。
2007年11月2日: 9.0.0.2公開。ロケーションバーからの検索バグを修正。
2007年11月3日: 9.0.0.3公開。Firefox 2.0.0.9相当の脆弱性修正。
2007年11月27日: 9.0.0.4公開。Firefox 2.0.0.10相当の脆弱性修正。
2007年12月10日: 9.0.0.5公開。Firefox 2.0.0.11相当の不具合修正。
2008年2月20日: 最後のバージョンとなる9.0.0.6公開。Firefox 2.0.0.12相当の脆弱性を修正し、Firefox/Flockへの乗り換えを促す告知画面を表示するように変更。WeatherBug拡張機能は削除されました。

Netscapeシリーズ

Netscape Navigator 9は、Netscapeシリーズの最終バージョンとなりました。Netscapeシリーズは、かつてウェブブラウザ市場をリードした存在であり、その歴史は多くの人々に記憶されています。

Netscape Navigator 9は、機能性と使いやすさのバランスが取れたウェブブラウザであり、その後のブラウザ開発にも影響を与えました。特に、Firefoxとの連携やマルチプラットフォーム対応は、今日のウェブブラウザのスタンダードとなっています。

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