OMON

OMON（オモン）

OMON（オモン）は、ロシア国家親衛隊に所属する特殊部隊であり、正式には「Отряд мобильный особого назначения」と呼ばれています。この部隊は主にデモや暴動の鎮圧を目的としており、その活動範囲は一般警察の支援にも及びます。具体的には、武装犯罪集団の取り締まりや薬物関連の犯罪、人質事件への対応、刑事事件の被疑者移送時の警備、特定の建物の警備など、多岐にわたる任務を遂行しています。

OMONは、ロシア国家親衛隊内で別の特殊警察組織であるSOBRよりも大規模であり、一般的にはその存在感の強さから広く認知されています。現代のOMONは、機動隊や憲兵隊のような性質を持つ準軍事組織として機能しており、ベラルーシ、カザフスタン、タジキスタンなどの旧ソ連の国々にもその部隊は存在します。ただし、これらの部隊は名称や頭字語を変更している場合があります。また、ロシア語話者の間ではOMON将校は「オモノフツィ」と呼ばれています。

歴史

OMONの歴史は1988年に遡ります。1988年10月3日、ソビエト連邦内務省の下でモスクワに特別任務民警支隊（ОМОН）が設立されました。そして、2011年には内務省令により「特別任務機動隊」（Отряд мобильный особого назначения）と改称され、2016年には国家親衛隊に編入される形となりました。

装備

OMONは様々な武器や装備を使用しています。主な武器としてはAK-74系列のライフルやRPGシリーズのロケットランチャー、マカロフPMなどが挙げられます。また、警棒やライオットシールド、スタングレネード、催涙スプレーの他、放水砲、長距離音響装置なども装備しており、幅広い状況に対応できるようになっています。オペレーションに使用されるヘルメットやボディアーマーも様々で、地域や任務ごとに異なる制服を着用しますが、特に黒いベレー帽と青を基調にした迷彩服で知られています。

主な活動

OMONはその歴史の中で多くの重要な事件に関与してきました。1990年から1991年にかけてのリトアニアの国境警備隊への攻撃や、1991年にヴィリニュスでの通信施設に対する攻撃、1993年の10月政変、また第一次および第二次チェチェン紛争、モスクワでの劇場占拠事件、ベスラン学校占拠事件、さらには最近のウクライナ侵攻に至るまで、OMONの関与が確認されています。

著名人

OMON出身の著名な人物には、元隊員のヴィクトル・アルクスニスやアレクサンダー・ウスティノフがいます。

関連項目

OMONに関連する組織や部隊は多数存在し、特別任務民警連隊や特殊任務警察支隊などがその代表例です。また、過去にはウクライナのベルクトもOMONの後継組織として知られていましたが、2014年の政権交代により解体されています。OMONは、その特殊な役割と活動を通じて、ロシア国内外に大きな影響を与えている部隊の一つと言えるでしょう。

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