ONLY YOU (BOØWYの曲)

BOØWYの「ONLY YOU」は、1987年4月6日にリリースされた5枚目のシングルであり、彼らの代表曲の一つです。作詞は氷室京介、作曲・編曲は布袋寅泰が担当し、プロデュースは布袋と糟谷銑司が手がけました。アルバム『BEAT EMOTION』からのリカットとしてリリースされ、氷室京介から妻へのラブソングであるという説があります。

背景

「ONLY YOU」がリリースされた背景には、BOØWYの解散という大きな出来事がありました。アルバム『BEAT EMOTION』のツアー後、メンバーはマネージャーに解散の意向を伝えます。高橋まことの著書によれば、解散の理由は布袋の妻である山下久美子のツアーに布袋と松井恒松が参加することになり、さらに高橋にも参加の打診があったことがきっかけでした。氷室京介は、BOØWYのメンバーが自身を除け者にしていると感じ、解散を決意したとされています。しかし、布袋寅泰は解散の理由はそれぞれ異なるとし、彼自身の理由は墓まで持っていくと語っています。

音楽性とレコーディング

「ONLY YOU」のレコーディングは難航しました。最初のテイクでは納得のいくクオリティにならず、キーを上げてベースとギターを再録音した結果、最終的なOKテイクが得られました。ディレクターの子安次郎は、楽曲にとってテンポとキーが重要であると主張し、最適な設定を見つけることの重要性を強調しています。もし最初のキーのままリリースされていたら、これほど評価される曲になっていたかは疑問だと述べています。

B面には、「B・BLUE」と「BABY ACTION」のライブバージョンが収録されています。これらのライブ音源は、1987年2月24日の日本武道館公演からのもので、『GIGS at BUDOKAN BEAT EMOTION ROCK'N ROLL CIRCUS TOUR 1986.11.11〜1987.02.24』にも収録されていますが、ミックスが異なっています。

リリースとプロモーション

「ONLY YOU」のシングルカットは、解散決定後に東芝EMIからの要望で決定されました。高橋まことがプロモーションビデオ制作やBOØWYフェアへの参加、音楽誌のインタビューなどを担当しました。テレビ出演では、フジテレビ系の音楽番組『夜のヒットスタジオDELUXE』に出演し、司会者からの無茶振りにメンバーが困惑する場面もありました。

チャート成績とライブパフォーマンス

オリコンチャートでは初登場4位を獲得し、BOØWY初のトップ5入りを果たしました。リリース以降、解散までの全てのライブで演奏され、ライブの定番曲となりました。

カバー

「ONLY YOU」は、様々なアーティストによってカバーされています。NICOTINEによる全英語詞カバーや、ノーズウォーター、続・美勇伝、サカモト教授など、幅広いジャンルのアーティストが独自の解釈でこの曲を蘇らせています。

「ONLY YOU」は、BOØWYの音楽性を象徴するだけでなく、彼らのドラマチックな物語を背景に持つ、特別な楽曲と言えるでしょう。

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