OSV-96

KBP OSV-96：ロシアのセミオート対物ライフル

KBP OSV-96（ロシア語: ОСВ-96）は、1990年代初頭にロシアのKBPトゥーラ器械製造設計局によって設計されたセミオート対物ライフルです。本ライフルは試作名称V-94でも知られ、特にその火力において際立った性能を誇ります。

設計の特徴

このライフルの最大の特徴は、東側諸国で広く使用されている12.7x108mm弾を採用している点です。同じく12.7mm口径である西側諸国のNATO弾（12.7x99mm）と異なり、OSV-96の弾薬は装薬量が豊富で、その結果、高速で飛ぶ弾丸を実現し、長距離の射撃において優位に立っています。また、特別に設計されたB-32装甲貫通弾を用いることで、1,200mから1,800mの距離にいる軽装甲車両を容易に無力化することが可能です。

作動メカニズムは、ガス圧を利用した回転式ボルト閉鎖式で、弾倉には5発の弾丸が収められている箱型の設計です。外観については、一般的な対物ライフルのスタイルを持ち、銃身の下には短い二脚が装着され、持ちやすさを確保しています。マズルブレーキには、角形と筒形多孔式の二種類が用意され、運搬時にはヒンジによって折り畳むことができる機構も搭載されています。

さらに、大型の狙撃用スコープや各種の暗視装置を装備することが可能であり、射手の利便性を高めています。実際にコンバットライターの笹川英夫が試射した際には、1,500m先のT-34戦車のフェンダーを貫通する結果を記録しました。

運用と使用国

KBP OSV-96は、ロシア陸軍においてはごく少数が採用され、その一部はチェチェン紛争に投入されたという報告があります。加えて、以下の国々で特殊部隊や軍に配備されています：

• - アゼルバイジャン：アゼルバイジャン軍の特殊部隊で使用
• - エジプト：エジプト特殊作戦部隊が装備
• - インド：インド海軍の特殊部隊「MARCOS」に配備
• - キルギス：キルギス陸軍第25独立特殊任務旅団で採用
• - カザフスタン：カザフスタン軍の空挺部隊および特殊部隊において使用

総括

KBP OSV-96は、その優れた火力と機動性から多くの国で評価され、特殊な用途に適したライフルとして確固たる地位を築いています。対物ライフルとしての機能に加え、多様な視覚装置を取り付けることができ、ユーザーにとって非常に価値のある武器とされています。今後も、その設計や性能が注目されることでしょう。

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