Ogg

Oggコンテナフォーマット

Ogg（オッグ）は、パテントフリーのマルチメディアコンテナフォーマットで、主に音声や動画データの保存に使用されます。Xiph.Org Foundationにより規格化され、RFC 3533に基づいて文書化されています。Oggの最大の特徴は、複数のコーデックを一つのコンテナ内に格納できる点です。この特性によって、Oggは多様なメディアデータの処理や管理を効率化しています。

Oggの基本構造

Oggは情報の格納形式であり、オーディオやビデオだけでなく、テキストデータなどさまざまなデジタル情報を収容できます。最も代表的な音声コーデックであるVorbisを含むOggファイルは、Ogg Vorbisと呼ばれ、音質が良いため多くの場面で利用されています。他にも、OggにはTheora（ビデオコーデック）、FLAC（可逆音声コーデック）、Speex（人の声に特化したコーデック）などのコーデックを格納できます。これにより、用途に応じて最適なコーデックを選択できます。

Oggのファイル拡張子についても、2007年に変更が行われました。それ以前の共通拡張子「.ogg」は、Ogg Vorbisを主要に扱うファイルのために使用され、一般的なOggコンテナに関しては「.ogx」、音声ファイルには「.oga」、動画ファイルには「.ogv」が利用されるようになりました。さらに、Speexを含むファイルには「.spx」という拡張子も用いられています。

Oggに収容可能なコーデック

Oggフォーマットでは、さまざまな種類のコーデックを利用できます。以下に主要なコーデックを分類して紹介します。

オーディオコーデック

- 非可逆圧縮

- Vorbis: 一般的な音声用途に適したコーデック。
- Opus: 音声や音楽に特化したインタラクティブなフォーマットで、SILKとCELTを融合させています。
- CELT: 低遅延音声コーデックで、SpeexとVorbisの間に位置しますが、開発は終了しました。
- Speex: 人の声に特化したコーデック。こちらも開発は終了しています。

- 可逆圧縮

- FLAC: 一般的な音声に使用され、再生時には元の音質を保つことができます。
- OggPCM: 非圧縮のPCM形式。

テキストコーデック

- Continuous Media Markup Language: 汎用メタテキストデータ。
- OggKate: カラオケ用のテキストを格納。
- Writ: テキストデータのフォーマット。
- Annodex: メタデータと併せて音声などの扱いが可能。

ビデオコーデック

- 非可逆圧縮

- Tarkin、Dirac（BBCによって開発された新しいフォーマット）、Theora: 汎用ビデオコーデックで、開発が終了しています。
- Daala: Theoraの後継として開発が行われていましたが、最終的にはAV1に統合されました。

- 可逆圧縮

- OggUVS: 非圧縮形式のビデオ。

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