Okular

Okularは、KDE Software Compilation 4 (KDE SC 4) に統合された、高度なドキュメントビューアです。その起源は、2005年のGoogle Summer of Codeプロジェクトに遡り、Piotr Szymanski氏によって開発が開始されました。このソフトウェアは、従来のKPDF、KGhostView、KFax、KFaxview、KDVIといった複数のドキュメントビューアの機能を統合し、単一のインターフェースで多様なファイル形式を扱うことを可能にしました。

Okularの大きな特徴の一つは、その高い拡張性と柔軟性です。ソフトウェアの機能を他のアプリケーションに移植できる設計となっており、開発者コミュニティによってその可能性が広げられています。対応しているファイル形式は非常に多岐にわたり、以下のものが含まれます。

PDF (Portable Document Format): Popplerバックエンドを利用し、PDFドキュメントを高品質に表示します。
PostScript: libspectreバックエンドを通じて、PostScriptファイルを正確にレンダリングします。
TIFF (Tagged Image File Format): libTIFFバックエンドを使用し、TIFF形式の画像をサポートします。
CHM (Microsoft Compiled HTML Help): CHMLibバックエンドを介して、CHM形式のヘルプファイルを閲覧できます。
DjVu: DjVuLibreバックエンドにより、DjVu形式のドキュメントを扱うことができます。
各種イメージフォーマット: 様々な画像形式に対応しており、画像ビューアとしての利用も可能です。
DVI (Device independent file format): DVI形式のドキュメントをサポートし、技術文書などの表示に適しています。
XPS (XML Paper Specification): XML Paper Specification形式のドキュメントも開くことができます。
ODF (OpenDocument Format): OpenDocument形式のファイル、例えばテキストドキュメントやスプレッドシートを閲覧できます。
FictionBook: 電子書籍フォーマットの一つであるFictionBookに対応します。
ComicBook: 漫画形式のファイルを読むことが可能です。
Plucker: Plucker形式の電子書籍をサポートしています。
EPUB: 一般的な電子書籍フォーマットであるEPUB形式のファイルも扱えます。
Markdown: Markdown形式のテキストファイルをプレビューすることができます。


Okularは、2019年9月以降、Windowsストアでも利用可能となり、より多くのユーザーがアクセスできるようになりました。さらに、2020年12月には、ソフトウェアのバージョン管理方式が従来のシーケンスベースの識別子からCalVerに変更され、リリース頻度とバージョン番号がより明確に定義されるようになりました。

Okularは、単なるドキュメントビューアにとどまらず、多様なファイル形式をサポートすることで、ユーザーのさまざまなニーズに応えることができる強力なツールです。


関連情報として、GNOMEデスクトップ環境向けのドキュメントビューアであるEvinceや、PDFソフトウェアの一覧、KDEプロジェクトに関する情報も参照してください。より詳しい情報は、Okularの公式ホームページやKDE UserBaseで確認できます。

Okular Homepage（英語）
Okular - KDE UserBase

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