Optical Gravitational Lensing Experiment

Optical Gravitational Lensing Experiment (OGLE) について

Optical Gravitational Lensing Experiment（光学重力レンズ実験）、略称OGLE（オーグル）は、ポーランドのワルシャワ大学を拠点とする天文学プロジェクトです。1992年のプロジェクト開始以来、時間領域天文学観測を継続的に行っています。プロジェクトの主導者は、ワルシャワ大学のアンジェイ・ウダルスキ教授です。

プロジェクトの目的

OGLEの主な目的は、以下の通りです。

変光星の検出と分類: 脈動変光星や食変光星など、さまざまな種類の変光星を検出し、その性質を詳しく調べています。
重力マイクロレンズ現象の発見: 重力マイクロレンズ現象は、遠方の天体からの光が、手前の天体の重力によって曲げられる現象です。この現象を利用して、暗い天体や惑星を発見することができます。
矮新星の研究: 矮新星は、白色矮星と伴星からなる連星系で、時折爆発的に明るくなる天体です。OGLEは、これらの矮新星の観測にも力を入れています。
銀河とマゼラン雲の構造研究: 銀河や大マゼラン雲、小マゼラン雲といった天体の構造を研究しています。

観測方法

OGLEは、主にチリのラス・カンパナス天文台で観測を行っています。この場所は、南天の星空を観測するのに非常に適しています。

重力マイクロレンズ現象を観測するためには、視線方向に二つ以上の天体が重なっている必要があります。星が密集している領域では、このような現象が起こる確率が高いため、OGLEはマゼラン雲や銀河系のバルジ（中心部）などを観測対象としています。

プロジェクトの段階

OGLEプロジェクトは、これまでに四つの段階を経てきました。

OGLE-I（1992-1995年）： 1.0mのスウォープ望遠鏡とシングルチップCCDセンサーを使用。
OGLE-II（1996-2000年）： ラス・カンパナス天文台に1.3mのワルシャワ望遠鏡を建設。2048×2048ピクセルのセンサーを搭載。視野は0.237度。
OGLE-III（2001-2009年）： 2048×4096ピクセルのモザイクCCDを8基搭載。銀河バルジ、りゅうこつ座、大マゼラン雲、小マゼラン雲を観測。重力マイクロレンズ現象とトランジット惑星の探索を実施。数億の恒星を観測し、最大の変光星カタログを作成。
OGLE-IV（2010年-現在）： ワルシャワ望遠鏡の視野を1.5度にする32チップのモザイクCCDカメラを導入。重力マイクロレンズ法による惑星検出数の増加を目指す。

主な成果

OGLEは、数々の重要な発見を成し遂げてきました。

最初のトランジット法による惑星発見： OGLEは、トランジット法を用いて発見された最初の惑星「OGLE-TR-56b」を発見しました。
多数の太陽系外[[惑星]]の発見： トランジット法や重力マイクロレンズ法を用いて、多数の太陽系外[[惑星]]を発見しています。2024年10月29日現在、121個の惑星がOGLEによって発見されています。
浮遊ブラックホールの発見： 2022年1月、OGLEチームはMicrolensing Observations in Astrophysics (MOA)との共同で、初めて浮遊ブラックホールの発見を報告しました。これは、マイクロレンズ現象だけでなく、ブラックホールによる偏光を測定することで、その存在を確実にしたものです。

国際協力

OGLEチームは、アメリカ、ニュージーランド、日本の科学者と協力し、地球に似た小さな惑星が、近くに他の恒星があっても恒星からかなり離れた場所に存在できることを明らかにしました。

関連項目

韓国マイクロレンジング望遠鏡ネットワーク
ケフェイド[[変光星]]
全天自動サーベイ
Microlensing Observations in Astrophysics（MOA）– 太陽系外[[惑星]]探索プロジェクト

人名

アンジェイ・ウダルスキ – ポーランドの天文学者
ボフダン・パチンスキ
グジェゴシュ・ポイマンスキ

一覧記事

複数惑星系の一覧

外部リンク

OGLE Homepage in Warsaw, Poland
OGLE-IV sky coverage maps
OGLE-IV fields

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