PC-8800シリーズのゲームタイトル一覧

PC-8800シリーズのゲームタイトル一覧

PC-8800シリーズは、NECが開発・販売したパソコンであり、数多くのゲームが発売されました。ここでは、その歴史と代表的なゲームタイトルについて解説します。

発売ソフトの形態・変遷

元々ビジネス機として登場したPC-8801シリーズですが、PC-8801mkIIの登場によりホビーパソコンとしての地位を確立しました。特に『テグザー』の大ヒットは、PC-8801mkIIをゲーム機として印象づける要因となりました。

グラフィック性能の向上

PC-8801mkIIは、ビデオ描画性能が向上し、アナログ8色（512色中8色）表示に対応しました。これにより、従来のデジタル8色では難しかった中間色の表現が容易になり、特に肌色の表現が可能になったことは、ゲーム表現の幅を大きく広げました。

ソフトハウスの登場と作品発表の場

1980年代には、スクウェア（現スクウェア・エニックス）をはじめとする多くのソフトハウスが登場しました。スクウェアは1984年に『ザ・デストラップ』でゲーム業界に参入しました。

プログラマーたちは、専門誌への投稿やゲーム会社主催のコンテストを通じて作品を発表していました。中村光一氏がエニックスの第1回ゲーム・ホビープログラムコンテストに応募した『ドア・ドア』は、後に他機種へ移植されるほどの人気を博しました。また、『魔女モヘカの館』のように雑誌にプログラムリストが掲載され、その後市販ソフトとして発売された例や、『3156コロコロ』のように製品化が見送られたものの、雑誌掲載のソースコードをもとに第三者が復元した例もありました。

コンテストとブランドの立ち上げ

パソコン専門誌『テクノポリス』を издава徳間書店は、創刊1周年記念企画として開催されたゲームプログラムコンテストの応募作を商品化するために「テクノポリスソフト」を立ち上げました。1986年10月には『まじゃべんちゃー/ねぎ麻雀』を発売し、以降は美少女ゲームも取り扱うようになりました。

人気シリーズの登場

1987年には、『イース』、『ハイドライド3』、『ソーサリアン』などの大ヒット作が登場し、PC-8800シリーズの人気を不動のものとしました。これらの作品は、まずPC-8800用として発売され、後に他機種へ移植されるケースが多く、PC-8800がゲーム開発のプラットフォームとして重要な位置を占めていたことがわかります。しかし、この時期に発売された作品の多くがロールプレイングゲームであり、アクションゲームやシューティングゲームは少数派でした。また、『グラディウス』のように、移植によってプレイ感覚が異なるという指摘もありました。

アドベンチャーゲームでは、J.B.ハロルドシリーズなどが人気を集めました。マイクロキャビンは、『めぞん一刻』で初めての版権ものに挑戦し、絵柄が原作からかけ離れてしまうという失敗を経験しながらも成功を収めました。その反省を活かした『うる星やつら～恋のサバイバルバースディ～』は、ユーザーからの評判も高く、アドベンチャーゲームブームが去った後もヒット作を連発しました。

問題作と業界の課題

過激な内容の作品も存在し、刑法第177条（強姦罪、現・強制性交等罪）を題材とした『177』は、国会で有害ソフトとして取り上げられるなど、社会問題化しました。

また、当時のパソコンゲーム雑誌には新作スケジュールが掲載されていなかったため、ユーザーは広告や店頭告知に頼るしかありませんでした。しかし、広告にも具体的な発売日が記載されていないことが多く、発売中止の告知もないため、実際に発売されたのかどうか不明なゲームも存在しました。さらに、パソコンが高価であったため、PC-8800シリーズで人気のあるジャンルでも、家庭用ゲーム機向けの後発作品に知名度で劣るケースもありました。例えば、PC-8800シリーズではテキストアドベンチャーゲームが人気でしたが、後発の『弟切草』がスーパーファミコンで発売され、「サウンドノベル」というジャンルを確立しました。

16ビット機への移行とレトロゲームとしての復活

ソフトの大規模化に伴い、PC-8800シリーズの性能限界が見え始めると、PC-9800シリーズをはじめとする16ビット機への移行が進み、PC-8800シリーズは徐々に衰退していきました。その後、PC-9800用ソフトの簡易版がPC-8800シリーズ向けに発売されることもありました。

しばらくの間、PC-8800を含むレトロゲームはエミュレータを通じて遊ばれることが多かったものの、2001年11月にレトロゲームダウンロードサービス「プロジェクトEGG」が開始され、PC-8801用のエミュレータが安定していたことから、同機種の作品群が最初のラインナップに加えられました。

代表的なゲームタイトル

1983年: 魔女モヘカの館（コムパック）
1984年: 地獄の練習問題（ハミングバードソフト）、夢幻の心臓（クリスタルソフト）、パンチボールマリオブラザーズ（ハドソン）、まじゃべんちゃー/ねぎ麻雀（ONION software）、シネスコ・アドベンチャー ゴジラ（東宝）、デーモンズリング（日本ファルコム）、ザ・デストラップ（スクウェア）
1985年: アメリカントラック（日本テレネット）、パックマンSR（電波新聞社）、棋太平（エス・ピー・エス）、ボンジャック（日本ソフトバンク）、夢幻の心臓II（クリスタルソフト）、キングフラッピー（dB-SOFT）、パラディン（ボーステック）、三國志
1986年: トップルジップ（ボーステック）、アルゴー（呉ソフトウェア工房）、舞臓魔（パックスエレクトロニカ）、まじゃべんちゃー/ねぎ麻雀（テクノポリスソフト）、シルフィード（ゲームアーツ）、夢幻戦士ヴァリスII（日本テレネット）、森田和郎の将棋 8ビット版（エニックス）
1987年: ガンダーラ 仏陀の聖戦（エニックス）、ドラゴンバスター（エニックス）、かわいそう物語（システムソフト）
1988年: DOME、ザ・スキーム、シルバーゴースト（呉ソフトウェア工房）、サイオブレード（T&E SOFT）、アルギースの翼（工画堂スタジオ）、時空の花嫁（工画堂スタジオ）
1989年: 夢幻戦士ヴァリスII、ハイドライド3、ドラゴンスレイヤー英雄伝説（日本ファルコム）、野球道2（タケル）、あーくしゅ（日本テレネット）
1990年: 破邪大星ダンガイオー（テクノポリス）、はっちゃけあやよさんIIいけないホリディ（HARD）、HARAKIRI、D.P.S. SG（アリスソフト）、夢幻の心臓III（クリスタルソフト）、やじうまペナントレース2（ビクター音楽産業）
* 1991年: グラムキャッツ（ドット企画）、D.P.S. SG set2（アリスソフト）、フェアリーテール海賊版（フェアリーテール）、カクテルソフト増刊号（カクテルソフト）、ELLE（エルフ）、ヴェインドリーム（グローディア）、コズミックサイコ（カクテルソフト）、ロイヤルブラッド（コーエー）、ファイナルクライシス（テクノグラード）、ぽっぷるメイル（日本ファルコム）、ヨーロッパ戦線（コーエー）

発売されなかったソフト

（情報なし）

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