PLASTIC GENERATION

郷ひろみ、新たな境地を開拓した意欲作『PLASTIC GENERATION』

1981年5月1日、CBS・ソニーよりリリースされた郷ひろみ16枚目のオリジナルアルバム『PLASTIC GENERATION』。前作『How many いい顔』からわずか4ヶ月という短いスパンでのリリースは、彼の旺盛な創作意欲を物語っています。さらに注目すべきは、前作までのアルバムとは異なり、『SUPER DRIVE』以来3作品ぶりに全曲がオリジナル楽曲で構成されている点です。

このアルバムは、単なる楽曲の寄せ集めではなく、明確なコンセプトのもとに制作されたことが伺えます。特にサウンド面では、『Narci-rhythm』以来6作ぶりにディスコ色が前面に押し出されており、同時にニューウェイブやファンカラティーナといった当時の音楽シーンを反映した洗練されたアレンジが聴きどころです。

アルバム全体の編曲は、萩田光雄氏が中心となって担当しており、彼の卓越した音楽センスが、郷ひろみの歌声をさらに魅力的に引き立てています。唯一、同時発売のシングル「お嫁サンバ」のみ船山基紀氏が編曲を担当しており、アルバム全体に統一感を与えながらも、変化に富んだ楽曲構成となっています。「お嫁サンバ」はアルバムバージョンで収録されています。

アルバムの楽曲は多様な魅力にあふれています。例えばタイトル曲「P-Generation」は、郷ひろみ自身の音楽性を象徴するかのごとく、力強く、そして洗練されたサウンドで聴く者を魅了します。また、「禁句 S」や「パピリオ」、「モノクローム Girl」などの楽曲は、郷ひろみの繊細な歌声を存分に堪能できるバラードから、アップテンポでダンサブルな楽曲まで、幅広い音楽性を示しています。「Stardust Hotel」や「Lonely Dancer」といった楽曲からは、郷ひろみの都会的な魅力が感じられ、聴く者の心を掴んで離しません。

作詞陣も豪華な顔ぶれが揃っています。島武実氏、神田広美氏、三浦徳子氏といった、日本の音楽シーンを代表する作詞家たちが、郷ひろみの個性を際立たせる歌詞を提供しています。作曲陣には、林哲司氏、小田裕一郎氏、小杉保夫氏といった、実力派作曲家たちが名を連ねており、彼らの才能が楽曲のクオリティをさらに高めています。

『PLASTIC GENERATION』は、ディスコサウンドを基調としながらも、ニューウェイブやファンカラティーナといった多様な音楽要素を取り入れ、郷ひろみ自身の音楽性をより深く探求した作品と言えるでしょう。当時最新の音楽トレンドを巧みに取り込みながら、郷ひろみ独自のスタイルを確立した、まさに80年代を代表する名盤として、音楽史にその名を刻むにふさわしい一枚です。このアルバムを通して、郷ひろみのアーティストとしての成長と、常に新しい音楽に挑戦し続ける姿勢を垣間見ることができるでしょう。80年代の音楽シーンに興味のある方、郷ひろみの音楽を深く知りたい方にとって、必聴のアルバムです。

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