Pixelbook

Pixelbookの概要

Pixelbook（ピクセルブック）は、2017年10月4日に発表されたGoogleが手掛けた2in1タイプのChromebookです。開発コストが高く、一般的なChromebookとは異なり、アメリカでの小売価格は約1,000ドルとなっており、MicrosoftのSurface Laptopと同等の価格帯で販売されました。2022年9月には、後継機種の開発が中止されたことが発表され、開発チームは解散しました。

開発の背景

Googleは会計上、アメリカの学校市場においてChromebookのシェアが58%に達することを受け、教育分野での競争力を強化するためにPixelbookの開発を行いました。この新しいデバイスは、AppleやMicrosoftに対抗できる力を持つことを目的としていたのです。発売した年の翌年、同様のコンセプトを持つPixel Slateが開発されるなど、Pixelブランドは進化を続けました。

Pixelbookの主な特徴

Pixelbookは12.3インチのタッチスクリーンを備え、タブレットのように利用できるデザインです。特にGoogleアシスタントを起動する専用のキーが印象的で、ChromeOSがプリインストールされているため、Androidアプリをネイティブに使用することが可能です。カメラは720pで動画を撮影でき、360°近くヒンジが開くため、ラップトップ、タブレット、あるいはテントモードでの使用ができます。Wi-Fi接続が切れた際にも自動的にスマートフォンと接続できるインスタントテザリング機能も便利です。

また、Pixelbookは2つのUSB-Cポートを備えており、どちらかを充電用に使用できます。45Wの充電器を使用すると、約2時間でフル充電が可能です。バッテリーは41Whで、最大10時間の連続使用が可能です。このように、性能が優れたデバイスでありながら、バッテリー持続時間も優れています。

最高性能モデルにはCore i7プロセッサが搭載されており、Googleストアのみで販売されました。このモデルに関しては、他のモデルよりも出荷が遅れ、2018年の1月にようやく出荷が開始された経緯があります。

周辺機器の充実

Pixelbookには、専用のスタイラスであるPixelbook Penが用意されており、圧力感知や角度感知の機能を備え、遅延もわずか10ミリ秒と優秀です。このペンは交換可能なAAAAバッテリーを搭載しており、99ドルで販売されていました。

歴史の振り返り

Pixelbookは、Chromebook Pixelの後継機種として位置付けられ、Googleの「Made by Google」イベントでの発表が期待されていました。情報が出回った時点では、タブレットとしても機能するデバイスであることが示唆されており、その普及が注目されていました。

2019年10月には、その後継機種となるPixelbook Goが発表されましたが、スタイラスやタブレットモードは廃止され、よりシンプルなデザインへと進化しました。2020年には、元のPixelbookがストアラインアップから撤去され、事実上の廃止が発表されています。

評価と反響

Pixelbookはその品質の高さから関心を集めましたが、その高価格がネガティブな側面として指摘されることも少なくありませんでした。The Vergeは「強力なマシンだが、あらゆるタスクに対応できるわけではない」と慎重な評価を下しています。一方、The Guardianは「高価だが一流のChromebook」として称賛し、Engadgetもその価値を認めています。

Wiredのレビューでは「誰が買うのかわからない」との意見もあり、様々な意見が交錯しました。Financial Timesは、新しいPixelbookの改善点について高く評価しており、オフラインでの作業が以前よりも可能になった点についても触れています。

Pixelbookは教育市場での競争を意識した製品として、独自の立ち位置を確立し、その後もGoogleの製品群に影響を与え続けました。

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