RADIO GA GA

「RADIO GA GA」（レディオ・ガ・ガ）は、イギリスのロックバンド、クイーンが1984年にリリースしたシングル曲です。この楽曲は、同年に発売されたアルバム『ザ・ワークス』に収録され、その後もベストアルバム『グレイテスト・ヒッツII』や『クラシック・クイーン』にも収録されています。作詞作曲はドラムスのロジャー・テイラーが担当し、クイーンとラインホルト・マックがプロデュースを手掛けました。

この曲は、イギリスで2位、アメリカで16位を記録したほか、世界19カ国で1位を獲得する大ヒットとなりました。この成功は、ロジャー・テイラーにとって初のヒット作となりました。しかし、アメリカの「ビルボード」誌の年間トップ100にはランクインしませんでした。

曲の背景とテーマ

曲名の由来は、ロジャー・テイラーの子供が幼い頃にラジオを聴いて「ラジオ、カカ」と言ったことからヒントを得たそうです。彼はこの言葉を「恍惚として夢中になる」「盲目的に熱狂している」という意味を持つ「ガガ」という言葉に置き換え、曲名にしました。

発表当時、「音楽はテレビやビデオで楽しむもの」という価値観が広まっており、「ラジオは古いメディアとして衰退する」という意見も少なくありませんでした。クイーン自身も、前衛的なミュージックビデオを制作し、メディア露出によって成功したバンドでしたが、そのような状況の中で、この曲はラジオに対するノスタルジーや、他のメディアにはない独自の役割と魅力を歌っています。

一部の音楽評論家からは、この曲の内容が「ファシズム的である」と批判されることもありましたが、その批判を覆すほどの大ヒットとなりました。また、アメリカの女性シンガー[[ソングライター]]であるレディー・ガガの芸名の由来になったことでも知られています。さらに、人気ゲーム『グランド・セフト・オートV』のBGMにも使用されています。

ミュージック・ビデオ

ミュージック・ビデオは、デヴィッド・マレットが監督を務めました。このビデオでは、1927年のフリッツ・ラング監督の映画『メトロポリス』の映像が使用されています。これは、フレディ・マーキュリーが『メトロポリス』のリメイク版のサウンドトラックにソロ曲「ラヴ・キルズ」を提供した縁で、無償で映像提供を受けたためです。

ビデオの内容は、「空飛ぶ車でメトロポリスの世界に入っていく」というもので、サビの部分ではファンクラブの500人がエキストラとして参加しました。大勢でこぶしを突き上げたり、手を叩いてリズムに乗るシーンは、ライブパフォーマンスにも取り入れられ、「ライブエイド」でのハイライトにもなりました。

MVは、『メトロポリス』の映像に加えて、1920年代から1940年代の世界大戦期を思わせる映像や、クイーンの過去のミュージックビデオの映像が使われ、一つの物語のような構成になっています。また、特徴的な手拍子のパフォーマンスは、大きな人気を博しました。

ライブでの演奏

「RADIO GA GA」は、1984年の「ワークスツアー」からライブで演奏されるようになり、それ以降、クイーンのライブに欠かせない存在となっています。

1985年 7月13日にウェンブリー・スタジアムで開催された「ライブエイド」では、「ボヘミアン・ラプソディ」に続いて2曲目に演奏され、7万2000人の観客による手拍子が大きな話題を呼びました。このライブの模様は、2018年公開の映画『ボヘミアン・ラプソディ』でも再現されています。

1992年 4月20日にウェンブリー・スタジアムで行われた「フレディ・マーキュリー追悼コンサート」では、ポール・ヤングが他のクイーンのメンバーと共演しました。また、2002年にバッキンガム宮殿の庭園で開催された「Party at the Palace」では、ロジャー・テイラーがボーカル、フィル・コリンズがドラムを担当しました。

クイーン+ポール・ロジャースのツアーでも、この曲は演奏されました。当初はロジャーがテープに合わせて歌い始め、途中でポールが歌い継ぐという形式でしたが、2008年のヨーロッパツアーからは、ロジャーはドラムに専念し、ポールがすべてを歌うようになりました。エンディングではブライアン・メイによるスライドギターのソロが披露されます。

収録曲

7インチ盤には、以下の曲が収録されています。

1. RADIO GA GA
2. アイ・ゴー・クレイジー

12インチ盤には、以下の曲が収録されています。

1. RADIO GA GA (エクステンデッド・ヴァージョン)
2. RADIO GA GA (インストルメンタル)
3. アイ・ゴー・クレイジー

演奏メンバー

クイーンのメンバーは以下の通りです。

フレディ・マーキュリー：リードボーカル、シンセサイザー、サンプラー
ブライアン・メイ：エレクトリックギター、コーラス
ロジャー・テイラー：ドラムス、電子ドラム、ドラムマシン、ボコーダー、コーラス、サンプラー、シンセサイザー
ジョン・ディーコン：ベース、コーラス

外部ミュージシャンとしては、フレッド・マンデルがシンセサイザーのアレンジ、プログラミング、演奏を担当しました。

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